風疹は、子供の病気と思われがちですが、近年は大人の患者が増えています。
一般的には風疹は一度かかれば二度とかかることはないといわれています。
しかし、予防接種を受けていても、まれに抗体ができていない場合や、風疹のワクチンを一度しか受けていない場合、一度感染していても、体質や加齢によって抗体が低くなることで再感染の可能性が高くなることもあります。
この記事では、岡村クリニック 院長:岡村長門 先生より風疹の抗体検査についてご紹介いただきました。
風疹の抗体検査について
1.風疹の抗体検査って何?
抗体検査
風疹抗体検査とは、血液検査(HI法、EIA法)で風疹ウイルスの抗体の有無と抗体価を調べる検査です。
2.HI法とは
HI法(Hemagglutination Inhibition test)は、『赤血球凝集抑制法』とも呼ばれる風疹抗体検査の一つです。ガチョウ血球を使用していますが、供給不足のため風疹抗体検査は、今後EIA法に移行していくと考えられます。
HI法の検査結果は、8の倍数で示され、8倍未満の場合、免疫を保有していないため、風疹含有ワクチンの接種が勧められます。
8倍~16倍
過去に感染や予防接種により風疹の免疫はありますが、不十分であるため感染によってお腹の赤ちゃんへの影響がある可能性があります。妊娠を希望する人は、風疹ワクチンの接種が勧められます。
32~126倍
32倍以上あれば、風疹感染の予防に十分な免疫を保有していると考えられ、風疹ワクチンの接種は基本的に必要ない状態です。
256倍~
最近風疹に感染した可能性があると判断されます。
3.EIA法
EIA法(Enzyme Immunoassay)は『酵素抗体法』とも呼ばれる風疹抗体検査の一つで血清を使用しています。EIA法の検査では、使用するキットによって異なりますが、日本で多く使用されているものでは、以下のような基準で抗体があるかどうかの判断を行います。
8未満
抗体がないか、十分な抗体がない。妊婦が感染することによって、お腹の赤ちゃんに影響がある可能性があるため、妊娠を希望する女性の場合はワクチン接種が勧められます。
45以上
十分な抗体をもっているか、最近風疹に感染した可能性があります。
続きには!なぜ抗体検査を受ける必要があるの?男性も抗体検査を受けるべき?などご紹介しております。