鼻の下に違和感があって触ってみると、鼻血。そういえば、昨日もその前日も鼻血が出たな、ということはありませんか? 頻繁に鼻血が出ると不安になりますよね。
もしかすると、鼻血が頻繁に出ることは、大きな病気が隠れているかもしれません。今回は鼻血について考えられる原因やどんなときに病院に行ったらよいのか、対処法を解説していきます。
執筆監修)荒牧内科 院長 荒牧 竜太郎先生
鼻血が毎日出る原因は?
鼻のかみすぎ、触りすぎ
鼻の粘膜は毛細血管が集まっている上に、皮膚が薄く、ちょっとした刺激でも傷つきやすくなっています。
鼻水が多く出るときは、何度も鼻をかんでしまったり、無意識に鼻を触ることで、傷ついた粘膜が更に傷つき、鼻血が出ることがあります。
興奮やのぼせ、気温変化
興奮やのぼせで、毛細血管の集まっている鼻から出血する場合があります。イライラして頭に血が上るような感覚やお風呂や温泉に浸かり過ぎてフラフラするときは注意が必要です。
また、気温変化によって鼻の粘膜が乾燥し、かさぶたのようになり、ちょっとした刺激で破れ、鼻血が出ることがあります。
気温変化の多い、3~4月頃、9~10月頃の季節の変わり目は特に気を付けておく必要があります。
カフェインや刺激物の過剰摂取
カフェインにより血管が収縮し、血圧が上がり負担をかけます。コーヒーや紅茶、チョコレート、栄養ドリンクなどをよく摂る習慣があれば、量を見直しましょう。
あまりにも鼻血がひどいようであれば、このような飲み物を一時的にお休みして様子をみてみましょう。
風邪やアレルギー
風邪やアレルギー症状の1つに鼻水、鼻づまりなどの鼻の症状があります。鼻が炎症している上に、鼻をかむことで鼻の粘膜が傷つきます。
また、風邪薬にもカフェインが含まれていることがあり、カフェインが鼻血の原因になる場合もあります。風邪をひきやすい冬場は、手洗いやうがいを励行して風邪をひかないよう十分に注意しましょう。
高血圧
高血圧は心臓が血液を送り出すための圧力が強い状態です。血圧が高いと鼻の毛細血管にも負担がかかることになり、ちょっとした刺激で鼻血が出やすくなります。
血液や肝臓の病気
鼻血が出やすくなり、止まりにくくなる病気があります。
「白血病」「特発性血小板減少性紫斑病(しはんびょう)」などの血液の病気や、肝硬変や慢性肝炎などの肝機能障害が該当します。
これらの病気は血小板という出血を止める血液の成分がうまく作れない、もしくは作れても機能しない、作れているがその量が少なくなっている状況になっており、出血すると血が止まりにくくなっています。
病院へ行くべき症状とは?
鼻血が数日続く場合や、出血がひどくダラダラ出て30分以上止まる気配がない場合は、病院を早めに受診しましょう。
病院は何科を受診?
鼻血はまず耳鼻咽喉科を受診しましょう。通常は鼻の粘膜からの出血ですので、止血してもらいましょう。
鼻以外の症状も気になるようであれば、先生に相談し他の病院や科を紹介してもらえば大丈夫です。
鼻血が毎日出る場合の対処法
鼻血が毎日出るとき、なぜ鼻血が出るかそれによって対処法も変わります。
鼻水、鼻づまりの改善
風邪やアレルギーなどで鼻水や鼻づまりを繰り返していて、鼻をかむようであれば風邪をひかないようマスクをし、アレルギーの原因を取り除いて、鼻水、鼻づまりを改善するようにしましょう。
栄養補給
鼻血の量にもよりますが、毎日少しずつでも出血すると貧血になる恐れもあります。貧血対策を食事から心がけます。
血液はたんぱく質や造血作用のある葉酸、皮膚や粘膜を正常に保つ「ビタミンA」「ビタミンB2」「ビタミンB6」を摂り、鼻の粘膜を強くする食材を日ごろから摂りましょう。
● たんぱく質・・・魚、肉、豆腐、大豆、大豆製品、卵など
● 葉酸・・・小松菜、ほうれん草、春菊、水菜、玄米、バナナ、いちごなど
● ビタミンA・・・にんじん、モロヘイヤ、パプリカ、卵、チーズ、のりなど
● ビタミンB2・・・そば、カシューナッツ、納豆、しめじ、えのき、大根葉、セロリなど
● ビタミンB6・・・玄米、卵、にんじん、ほうれん草、サツマイモ、ブロッコリー、じゃがいもなど
まとめ
鼻血が毎日または頻繁に出ている場合は、鼻の粘膜が弱っていたり、病気であったりする可能性もあります。頻繁に出るときはすぐに止まるからと安易に考えず、早めに耳鼻咽喉科で相談しておいたほうが安心です。
病院での治療とともに、自分でできる対策も行いながら治していきましょう。また、鼻血は小鼻周辺から出血することが多いため、出血した際は小鼻を優しく指でつまみ下を向いて止めます。
鼻にティッシュを詰めたり、上を向いたりすると、「鼻の粘膜を傷つける」「鼻から喉へ血液が流れる」原因になるため避けた方がいいでしょう。
また、小鼻周囲を冷やすことで、毛細血管を収縮させ、止血の効果が期待できます。
執筆者:荒牧内科 荒牧竜太郎先生