子どもが指しゃぶりをやめない。
いつまでに卒業させるべき?
保育士さんに、子どもが指しゃぶりをやめない原因と、指しゃぶり防止対策を聞きました。「出っ歯になるって本当?」と歯並びへの影響も解説します。
監修者:保育士 八田奈緒美
幼稚園免許・保育士免許を取得後、幼稚園を経験し、現在保育園にて勤務
幼稚園にて、3.4.5歳児担任。保育園にて、0.1歳児担任を務める。
指しゃぶりっていつまで大丈夫?
いつごろまでにやめさせたほうがいいでしょうか?
歯並びの観点から考えて、3歳までには指しゃぶりを卒業できるようにしましょう。
1歳頃になると上アゴも発達し始め、歯も生え揃い始めます。長時間の指しゃぶりは、アゴの発達や歯のならびに影響する場合があります。
子どもの歯並びが心配…
長時間の指しゃぶりは、歯並びに影響します。
アゴの発達にも影響して、出っ歯になる傾向があります。
※指しゃぶりだけでなく、おしゃぶりも同様の影響があります。
指しゃぶりをやめない6つの原因
指しゃぶりを卒業するために、まずは「どうして指しゃぶりを続けているのかな?」と子どもの様子を観察してみましょう。
子どもが指しゃぶりをやめない原因はいくつかあります。
原因1.遊んでいる
“楽しくて遊んでいるだけ”のケースもあります。
原因2.眠い
3歳以下の指しゃぶりは“眠気のサイン”とも考えられます。
原因3.気持ちを立て直そうとしている
成長すると、子どもながらにストレスを感じるようになります。そのストレスに対し、気持ちを立て直すために指しゃぶりをすることがあります。
原因4.癖になっている
指しゃぶりの多くは、母乳を吸う練習として始まります。指しゃぶりをすると落ち着くため、続けている赤ちゃんもいるでしょう。
原因5.退屈している
遊ぶ機会が少なく、退屈しているといった理由も考えられます。
原因6.歯がゆい
歯が伸びてくる過程で、歯がゆくて指に執着していることもあります。
指しゃぶりをやめさせる方法はある?
子どもの指しゃぶりをやめさせる具体的なやり方を解説します。
対策1.別の遊びを見つける
赤ちゃんが口に入れても大丈夫なおもちゃを揃えて、指しゃぶりを忘れるようにしましょう。
お気に入りの遊びやおもちゃを見つけてあげて、指しゃぶりよりも“遊び”に集中できる環境を整えるとよいでしょう。
対策2.食べる楽しみを与える
離乳食やおやつが食べられるようになると、様々な味覚が発達します。
いろいろな味を味わうと、指しゃぶりよりも食事が楽しみになって、指しゃぶりがいつの間にかなくなることがあります。
対策3.スキンシップをとる
また、絵本の読み聞かせをしたり、手をつないで寝たり、子どもが安心できる方法を見つけてあげると良いでしょう。
対策4.楽しんで卒業できるように工夫する
指しゃぶり防止専用グッズを使ってもOK!
クリームの成分は、口に入れても、舐めても大丈夫なものが使われています。
注意!使ってはいけないもの
・マニキュア
は使わないようにしてください。
指しゃぶりの代わりにおしゃぶりを与えるという人もいますが、次はおしゃぶりにはまってしまう恐れがあります。長期間使用していると、出っ歯や上顎の発達に影響が出る場合があります。
また、マニキュアやトップコートなどを爪に塗って、匂いや味で指しゃぶりをやめさせるように誘導する人もいるようです。赤ちゃんがそのまま指しゃぶりを続けると、これらの成分を飲み込んでしまう恐れがあるので避けましょう。
やってないけない指しゃぶり対策
・「やらないって言ってるでしょ!」などと強く注意する
・ワサビやカラシを、赤ちゃんの指に塗る
などの対策は逆効果になります。
無理やり指しゃぶりを止めてしまうと、ストレスがかかることもあります。
言葉で強く言うのではなく、何も言わずさりげなく手を口から出してあげるようにするのもよいでしょう。
昔は、ワサビやカラシを指に塗る、という方法もありましたが、これはやめましょう。万が一目に入れば炎症の原因になりますし、皮膚も荒れてしまうことがあります。
指しゃぶりからの卒業は、徐々に穏やかに進めるようにしてください。