7 月豪雨により、被災された皆さまに謹んでお見舞い申しあげます。
一日も早い復旧と皆さまのご健康を心より、お祈り申しあげます。
今回は、避難生活での食事面でのリスクについて、
健康検定認定ライターの久野銀座クリニックの院長・岡村信良医師が、「健康情報と医療機関の情報を発信するコラムサイト健康ぴた」の取材を受けました。
下記に記事の一部をご紹介しております。
【記事より】
西日本を襲った集中豪雨によって避難している方たちには、食事面でのリスクも心配の一つです。夏の暑い時期は細菌が増殖しやすくなり、汚染された食べ物を口にして食中毒になる危険が高まります。
食中毒になると、主に腹痛や下痢、嘔吐などの症状を発症します。厚生労働省では、避難生活を余儀なくされている方に注意を呼びかけています。
今回、食中毒の危険性や対策について、医療法人 小田原博信会の理事長であり、久野銀座クリニックの院長・岡村信良先生に聞いてみました。
カレーの作り置きによる“菌の増殖”も
食べ物の中に食中毒菌が混入すると「細菌性食中毒」を招きます。細菌性食中毒は、5月~9月に発症しやすく、感染型と毒素型に分類されます。
この感染型と毒素型の違いについて岡村先生は、「摂取された原因菌が腸管の中で感染増殖して食中毒を起こすものを『感染型』、すでに食品の中で原因菌が産生した毒素を体内に摂取してしまい、食中毒を起こすものを『毒素型』と呼びます」と説明してくれました。
ちなみに、感染型と毒素型の各種類は下記になります。
■感染型
サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクター
■毒素型
黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ボツリヌス菌
また、岡村先生によると、「カレーをはじめ、シチューなどの加熱調理食品を長時間室温に置いたり、中途半端に再加熱したりすると、不適切な温度管理によって菌が増え、食中毒になる恐れがある」とのことで、増殖した菌は「ウエルシュ菌」と呼ばれています。
「ウエルシュ菌は感染型、毒素型と同じ細菌で、大きく分けると毒素型、さらに細かく分けると『生体内毒素型』というものに分類されます。摂取した原因菌が腸管内で増殖し、毒素を産生することが原因で食中毒がおこります。ウエルシュ菌が作る芽胞は、他の細菌に比べて加熱にとても強いため、注意が必要です」
ウエルシュ菌は、1gあたり10万個以上に増殖した場合に食中毒を発症するので、調理後は食べるまでの時間を短くするか、小分けにして冷蔵庫で10℃以下に冷やした状態で保管することが望ましいといえます。
食中毒が増殖しやすい条件
食中毒菌は「栄養分」「水分」「温度」の3つの条件がそろい、時間が経過することで増殖します。
栄養分
調理器具に付着した食べ物の汚れは細菌の栄養分となってしまいます。特に高タンパクな食品は、細菌にとって最適です。
水分
細菌は水に溶けた栄養分を分解してから摂取します。反対に、水分がなければ増殖することはありません。
温度
細菌のほとんどが10~16℃で増殖します。最も増殖しやすい温度は、35℃前後といわれています。
この記事の続き、本文には、「食中毒にならないために気をつけるべきポイント「急性胃腸炎の対策」なども掲載されております。ご一読いただければ幸いです。