web「健康ぴた」に健康検定協会協力の記事が掲載されました。
今回は、こどもの「わきが」についてです。
〜以下記事より抜粋〜
汗ばむ季節は自分や他人の体臭が気になるということがよくあります。
大人は自分で自分の臭いに注意ができますが、子どもは親が臭いを指摘してあげないと、なかなか自分で気づくことができません。
また、子どもの気になる臭いは、もしかすると「わきが」の可能性も考えられます。
そこで、小田原銀座クリニックの長谷川佳子先生に、子どものわきがの特徴や治療、対処法についてお話を伺いました。
そもそも「わきが」の症状はいつぐらいから発生するのでしょうか?
長谷川先生は「第二次性徴期にホルモンバランスが大きく変化し、臭いが強くなる」と話します。
二次性徴とは、思春期に精巣や卵巣が発達して性ホルモンを盛んに分泌するようなることで現れる、男女の身体の特徴のことです。
男子は筋肉の発達や声変わりなどが見られ、女子では初潮や乳房の発達などが見られます。
さらに、脇の下に多く存在する汗腺である「アポクリン汗腺」が思春期の頃に発達し始めるため、わきがの臭いの原因になります。
ただ、「脂質や動物性たんぱく質、糖分を多く摂取していると、早い時期から臭いが出る子もいます」と、思春期を迎える前から症状が出る子もいるようです。
わきがの特徴をチェック
ここで、わきがの特徴について詳しく紹介していきます。
長谷川先生によると、大人と子どものわきがでは特徴に変わりがないとのことです。
こんな症状は「わきが」かも!?
長谷川先生によると、次のようなことが複数ある場合には、わきがの可能性があるそうです。
父か母どちらかがわきが
上着のわきの部分に黄色いシミがつく
耳垢が湿っている
脂質・甘いもの・動物性たんぱく質をよく取る
わき汗が多い
耳垢の状態
わきがの人の特徴の一つとして挙げられるのが耳垢の状態です。
お子さんの耳掃除をしてあげている親御さんも多いと思われますが、その際に耳垢の状態をチェックしてみてください。
長谷川先生によると、「わきがの人はほぼ湿っている耳垢で、それは子どもも同様」だそうです。
耳垢が湿ったタイプの子どもの場合、早めに臭いに注意してあげることをおすすめします。
シャツのわき染みや遺伝も
そのほかの特徴として「脱いだシャツのわきの部分に黄色いシミが確認できる場合もあります。
また、両親のどちらかがわきがだと遺伝する可能性が高く、隔世遺伝もあり得ます」
子どもの場合、日頃身につけている肌着や体操服に洗っても落ちないわキのシミや臭いがないかを気にしてあげると良いかもしれません。
また、隔世遺伝とは、両親がわきがではなくても、おじいちゃんやおばあちゃんにわきがの人がいると、子どももわきがの可能性があるということです。
わきがの対処法のポイント
では、子どもがわきがかもしれない場合、どんなことに親は気をつけてあげるべきなのでしょうか?
ストレスケアが大切
わきがの臭いはストレスとも関係しているようです。長谷川先生はこう話します。
「ストレスや疲労によって臭いが強くなることがあるので、お子さんのストレスの原因をさぐり対策をする、十分な休養をとるよう心がけるなどのストレスケアをしてあげることが大切です。
また、汗を拭き取る方法を教える、入浴の際には湯船につかるようにして汗や汚れを取り除くなどといったことを心がけてあげると良いでしょう」
食生活で気を付けること
食生活の面でも気をつけておくべきことがあります。
長谷川先生は「脂質や糖質が多いインスタント食品や肉類は量を減らしましょう」とアドバイスしてくれました。
お肉は脂質の少ない赤身肉を選び、インスタント麺や子どもが好むスナック菓子などのお菓子類は控えめにするなど、工夫してみると良いでしょう。
前述した通り、脂質や糖質の多い食事は、低年齢でわきがを発症することもあり得ます。
わきがに効く!コスパの良い手作り制汗剤「ミョウバン水」
スーパーやドラッグストアで売っている「焼きミョウバン」は、アク抜きに使う食品添加物で、30g程度が100円前後で購入することができます。
焼きミョウバンを水道水でうすめてスプレーすることで、コストパフォーマンスの良い制汗・消臭剤としても使えるようです。
ミョウバン水の作り方
①…焼きミョウバン30gを10倍の水道水(300ml)に溶かす
②…①をスプレー容器に入れ、これを直接わきや洋服にスプレーする
ミョウバン水によるケアについて長谷川先生は、「肌に直接スプレーする場合、肌に合うようであれば使用は問題ありません。ただし、異常が出たらすぐに皮膚科医に相談しましょう」と話します。
洋服の消臭剤として使う分には問題ありませんが、肌に直接スプレーする場合には初回は少量を試して様子を見たほうが良いかもしれません。
子どものわきがを本格的に治療するには?
子どもは自分ではわきがに気づきにくく、お友達や同級生といったまわりから指摘を受けて気にするようになることが多いようです。
また、親には相談できないこともあるようです。
そのためには、子どものデリケートな問題に親が早めに気づいて対処をしてあげることが大切です。病院での治療も対策の一つだといえます。
何科で受診?対処法は?
ここで、子どものわきがは何科を受診すれば良いのかなど、治療法について長谷川先生に聞いてみました。
「お子さんのわきがは、形成外科または美容外科や皮膚科で対応しています。
治療法には外科手術やボツリヌス菌注入治療があります。また、治療機器を用いることで、切らずに短時間で治す方法もあるので医療機関に問い合わせてみてください」
外科手術も選択枝のひとつ
長谷川先生によると、臭いをほぼなくしたい場合には外科手術が有効だそうです。
ここでは子どものわきが手術について、何歳から受けられるのか、リスクや費用についても聞いてみました。
「特に年齢制限はありません。手術後はほぼ臭いがなくなるので、臭いの制御を強く望む人は外科手術が有効だといえます。
リスクとしては、大きめの傷跡が残ってしまう場合や皮膚のひきつれが残る場合もあります。
また、皮膚切除や剪除(せんじょ)という外科手術は保険適応なので、詳しくは医師に相談してみることをおすすめします」
医師に相談の上、効果とリスクをよく考えてから外科手術も対策の一つとして考えてみるのも良いのかもしれません。