「おたふく風邪になって、熱が下がらない・・・」
そんなとき、どう対処するべきか不安ですよね。
子どもと大人のそれぞれの対応の方法や、熱がでやすい期間や注意すべき症状について解説しています。
監修医
医療法人 小田原博信会
久野銀座クリニック
院長 岡村信良 先生
〜以下記事より抜粋〜
熱はどれくらいの期間続くものなのでしょうか?
発熱は、大人、子どもともに3日程度で落ち着きます。
熱はどこまで上がると危険?
熱が38度以上に上がったままで、3日以上下がらない場合は、一度診察を受け、異常がないか確認をしておくと良いでしょう。
おたふく風邪の発熱の注意点
おたふく風邪で発熱したときに注意する合併症や、お風呂に入ってもいいのかを聞きました。
合併症のキケン
重症化したり、危険な合併症になったりすることはありますか?
おたふく風邪は、脳症や脳炎といった合併症を起こす場合があります。この場合は、長引く高熱・強い頭痛・嘔吐・意識障害といった症状が現れます。このような症状があれば、素早く病院を受診してください。
お風呂の入浴は?
お風呂には入っても大丈夫なのでしょうか?
熱があるときは、入浴は控えてください。ふらつき、めまいなどで転倒の恐れがあります。
赤ちゃんや子どもは、熱が下がっても、体力が十分に回復するまで、お風呂は控えた方が良いでしょう。汗をかいた際には、着替えさせ、温かいお湯で絞ったタオルで、顔を拭いてあげるとさっぱりします。
大人は、熱が下がれば、さっと汗を流す程度の入浴なら大丈夫でしょう。長湯は、おたふく風邪特有の耳下腺の腫れを悪化させる場合があるので避けてください。
熱が下がらないとき
熱が下がらない原因
熱が長期間下がらない場合、どういった原因が考えられるでしょうか?
合併症を起こしている可能性があります。合併症には、脳炎・脳症・卵巣炎・精巣炎などがあります。
熱が下がらないときの対処法
熱がずっと下がらないとき、どういった対処法をとばいいのでしょうか?
おたふく風邪の発熱は、3日程度でおさまります。それ以上高熱が続くようであれば、一度病院を受診して、合併症を起こしていないか確認してください。
徐々に熱が下がっていれば、体がウイルスを戦っている免疫反応だと考えられます。この状態では、解熱剤は必要ありません。これから、耳下腺の腫れも少しずつ引きますので、喉越しの良いものを食べさせてあげましょう。
熱がぶり返すとき
熱がぶり返す原因
熱が上がったり下がったりします。
原因はどういったものが考えられるでしょうか?
子どもは、午前中熱が下がって、体が楽だと動いてしまい、その疲れにより午後から発熱するという場合が多いので様子をみてください。
大人でも、同じく少し体調が良いからといって動いてしまうとまた熱が上がる人もいます。熱が下がりきっていない時は、安静にしましょう。
熱がぶり返すときの対処法
熱がぶり返す場合の対処法を教えてください。
部屋を暖かくし、加湿をして、部屋でゆっくり過ごしましょう。また、TVやスマートフォンを見ると、目や脳が休まらないので長時間は避けましょう。大人も子どもも同様です。
患部が痛いときの対処法
患部が痛いとき「冷やすと痛みが和らぐ」と聞いたのですが、冷やしても大丈夫でしょうか?
冷やしても大丈夫です。おたふく風邪を発症すると、耳下腺や額下腺、舌下腺といった耳の周り・あごの下・舌の周りなどに腫れが生じます。この腫れている部分を冷やしてあげると楽になる場合があります。
大人のおたふく風邪の発熱
大人のおたふく風邪には注意が必要!女性・男性別に注意すべき症状と対処法を聞きました。
女性の場合
大人の女性がおたふく風邪にかかって発熱した場合、どういったことに注意すればいいでしょうか?
大人になってから、おたふく風邪を発症すると女性は、卵巣炎を合併症で発症することがあります。卵巣炎とは、病原体が子宮経管から卵管に感染して炎症が起きる病気です。 卵管や卵巣のどちらかが炎症を起こすと、ほとんどが同時に炎症を起こしてしまい、卵管障害による不妊症につながる場合があります。
また、妊娠早期でおたふく風邪に感染すると、流産する場合もあります。おたふく風邪の免疫がない人が、妊娠を望んでいる場合は、予防接種を受けましょう。
どんな症状がでている場合、病院を受診した方がいいですか?
発熱以外にも下腹部痛や吐き気、不正出血などがあれば、婦人科を受診しましょう。
妊娠中に発熱した場合、どんな危険があるでしょうか?
妊娠中は、通常と体調が違うので、発熱した場合は特に脱水に注意が必要です。こまめな水分補給を行いましょう。
男性の場合
大人の男性がおたふく風邪にかかって発熱した場合、どういったことに注意すればいいでしょうか?
精巣炎という、精巣に炎症が起きる病気を発症する場合があります。すぐに回復すれば、不妊の原因となる事は稀ですが、悪化させると不妊症の原因となる可能性があります。
どんな症状がでている場合、病院を受診した方がいいですか?
発熱以外に急激な精巣の痛み・腫れ・倦怠感などの症状現れます。発熱と合わせて、これらの症状があれば泌尿器科を受診してください。
病院を受診するとき
おたふく風邪による発熱は、何科?
病院を受診する場合、何科にいけばいいでしょうか?
15歳以下のお子さんは、小児科を受診してください。
成人の場合は、内科を受診しましょう。
女性で、卵巣炎の疑いがある場合や、妊娠している方は、かかりつけの婦人科を受診しましょう。
男性で、精巣炎の疑いがある場合は、泌尿器科を受診しましょう。