赤ちゃんや子どもが「ヘルパンギーナ」に感染してしまったとき。
保育園は何日休むべきなのか、「どう判断すればいいの…?」と迷うママ・パパは少なくありません。
この記事ではなごみクリニックの武井先生に、登園できる症状の目安や、登園の際に気をつけること、再感染しないためにできることを聞きました。
監修医者
なごみクリニック
院長:武井智昭 先生
小児科専門医・指導医
日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)
臨床研修指導医(日本小児科学会)
抗菌化学療法認定医
ヘルパンギーナに感染した場合、「何日休むべき」といった国の基準はありません。
登園の目安として、厚生労働省のガイドラインでは「発熱や口腔内の水泡・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」と記載されています。
登園しない方がいい場合
具体的に、どんな症状がでている場合は、登園を控えたほうがいいのでしょうか?
ヘルパンギーナは、発熱・口の粘膜に現れる小さな水ぶくれを伴う発疹と、この発疹に痛みを伴う病気です。解熱して24時間までは体調が不安定なので登園は控えましょう。
そして、ヘルパンギーナ特有の口腔内の発疹ができていると、発疹に食べ物・飲み物がしみて痛み、食事がきちんと取れない場合があります。この場合も、食事が不自由なく取れるようになるまで、登園は控えましょう。
「熱が下がったか」と「食事がとれるか」が判断のポイントになるんですね!
登園の際に気をつけること
登園の際、気をつけたほうがいいことはありますか?
熱が完全に下がっているかを確認し、登園させましょう。また、くしゃみ・咳・鼻水といった症状があればマスクを着用させましょう。
登園許可証のもらい方
保育園によっては、「登園許可証」や「治癒証明」が必要なところもあるようです。その場合、お医者さんにはどう頼めばいいでしょうか?
治癒証明や意見書の記入依頼をしましょう。幼稚園・保育園で指定の用紙があれば、その用紙を持っていけば記載してもらえます。本来、ヘルパンギーナは、医師の許可証がなくても登園可能です。
病院を受診するべき?
ヘルパンギーナにかかったと思ったら、病院に行くべきですか?
ヘルパンギーナは、口内炎や高熱が出る喉の病気です。数日経てば、熱も収まり、徐々に口内炎も良くなります。しかし発症時は、他の病気と見極めが難しいので、手足口病を含め流行期には熱が高い場合は、一度病院を受診して、診察を受けておく方が良いでしょう。
特に気をつけた方がいい症状はありますか?
稀ですが、髄膜炎・脳炎などの重度の合併症を起こす場合もあります。
けいれん
嘔吐
意識障害
顔色不良
などの症状があれば救急受診しましょう。
病院は何科?
病院を受診する場合、何科にいけばいいのでしょうか?
15歳までのお子さんは、小児科を受診しましょう。小児科がないような場合、内科を受診してください。
保育園のプールは入っていいの?
ヘルパンギーナがはやるのは夏にかけての暖かい季節。7月がピークとなることが多く、ちょうどプールの時期と重なります。
ヘルパンギーナにかかったら、プールに入っても大丈夫なのでしょうか?
プールに入るか判断するは、次の3つの症状を確認してください。
熱が下がっている
喉の痛みもおさまっている
口腔内の発疹も治癒している
プールに入る場合、気をつけなければならないことはありますか?
プールは、普段の生活より疲れるので、十分に体力が戻ってからにすると良いでしょう。