乳幼児を中心に、春から夏にかけて流行するウイルス性の感染症「ヘルパンギーナ」。夏風邪の代表としても知られています。1歳代の感染者が多いとされていまが、0歳の赤ちゃんが感染することもあります。
ヘルパンギーナに赤ちゃんが感染してしまったら、どういった症状がでるのか、どう対処すべきか、なごみクリニックの武井先生に聞きました。
なごみクリニック
院長:武井智昭 先生
小児科専門医・指導医
日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)
臨床研修指導医(日本小児科学会)
抗菌化学療法認定医
赤ちゃんがヘルパンギーナにかかったら、どんな症状がでますか?
ヘルパンギーナは、発熱・口の粘膜に小さな水ぶくれのできる発疹と、この発疹に痛みを伴う病気です。赤ちゃんの場合、喉の痛みや口の中にできた水疱のせいで、よだれが増える子もいます。
ヘルパンギーナのどんな初期症状がでますか?
初期症状として
急な高熱
いつもよりよだれが多い
機嫌が悪い
ミルクを飲みたがらない
いつもより元気がない
など
このような症状が、現れる場合があります。 ヘルパンギーナは、高熱と同時い喉の粘膜に水ぶくれができ、この水ぶくれが潰れると、浅いびらん・潰瘍となり、痛みを感じるようになります。熱や喉の痛み、潰瘍の痛みで、ミルクを飲む量が減る赤ちゃんも多くいます。ひどくなると脱水症状を起こすので、水分補給が重要です。
自然に治るものなのでしょうか?
ヘルパンギーナには、特効薬はなく、安静にして自然治癒を待ちます。熱は、長い場合2〜4日間続き、その後徐々に快方に向かいます。
病院を受診するべき症状
どういった症状の場合、すぐに病院を受診したらいいでしょうか?
稀ですが、ヘルパンギーナは重度の合併症(髄膜炎・脳炎など)を起こす場合もあります。
けいれん
意識がもうろうとしている
嘔吐
呼吸が不安定
顔色不良
このような症状があれば救急を受診しましょう。
病院を受診する場合、何科に行けばいいでしょうか?
赤ちゃんは小児科を受診しましょう。
どんな治療法がありますか?
また、赤ちゃんでも使える薬はありますか?
ヘルパンギーナには、特効薬はありません。病院を受診しても対症療法が行われます。特に脱水症状に注意をし、こまめに水分補給を行います。熱が高い場合は、解熱剤を使用しながら免疫の力で快方へ向かうのを待ちます。