冬になると流行しはじめる、ウイルス性胃腸炎。
子どもが感染したらどうすればいいの?保育園や幼稚園は行ってもいいの?
久野銀座クリニックの岡村先生に、子どもがウイルス性胃腸炎になったときの対処法や登園判断の目安を聞きました。胃腸炎になった際の食事や感染を防止する方法も聞いたので、参考にしてくださいね。
監修医
医療法人 小田原博信会
久野銀座クリニック
院長 岡村信良 先生
子どもが胃腸炎になったら、保育園は何日程度休ませるべきでしょうか?
感染性の胃腸炎には、細菌性のものとウイルス性のものがあります。毎年冬に流行する胃腸炎は、ほとんどがウイルス性のものです。原因となるウイルスは、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどです。
冬に流行るウイルス性胃腸炎は、腹痛・下痢・嘔吐・発熱といった症状が出ます。症状が軽ければ腹痛だけという場合もあります。熱が完全に下がり、それぞれの症状が落ち着き、十分元気になったら登園させてください。
胃腸炎は、脱水症状に注意が必要です。水分をしっかり取れる体力が戻ってから、登園させましょう。
何日くらいで症状は回復しますか?
快方に向かう期間は数日ですが、個人差がありますので、子どもの状態を保護者の方がしっかり見てあげましょう。体が弱っているので、無理をさせると風邪や他の病気にかかってしまう可能性もあります。
下痢だけのときは、登園させても大丈夫でしょうか?
下痢は、症状が重いと自分で排泄の調整ができない場合があります。小さな子どもや赤ちゃんの便が漏れると別の人にうつります。下痢が軽快し、他にも腹痛やだるさなどの全身症状がなくなったら登園するようにしましょう。
登園させるときの注意
ほかの子どもにうつさないようにするべきことはありますか?
嘔吐物や便を触った手、その手で触れた物から感染します。子どもが小さいとトイレの後の手洗いが不十分で、そのまま他の子どもと触れ合うことが原因で感染は広がります。子どもには、普段から丁寧な手洗いを教えましょう。
感染防止のためにできることを教えてください。
特に冬場は、嘔吐物が乾燥し、そこからウイルスが飛散して、ウイルスを吸い込み感染する場合もあります。感染していないご兄弟やご家族は、嘔吐物・下痢からすぐに離れさせ、保護者の方がすぐに嘔吐物・下痢の処理を行い、乾燥させないようにしましょう。(塩素系漂白剤が有効)
また、清掃後は、手洗い・うがいをしっかり行いましょう。
食事は何がいい?
どんな食事がいいのでしょうか?
嘔吐がおさまったら、消化に良いものを少量ずつ与えましょう。おかゆやうどんがおすすめです。食欲が出るまでは、無理に食べさせると吐いてしまう場合があります。
嘔吐してしまって、食べることができません。どうしたらいいでしょうか?
脱水症状を避けるために、嘔吐後は飲食を中止してください。1〜2時間後に水分をスプ−ン1杯程度から飲ませてみましょう。その後も15分おきくらいに少量ずつ与えましょう。
塩分、カリウムが含まれた経口補水液が適しています。お茶・真水・麦茶などは吸収が悪いのでこの場合は避けてください。このように処置をしても4〜5回以上嘔吐が続く・ぼんやりしている・眠りがちな場合は脱水症状が強い可能性があるので早めに病院を受診してください。
病院の受診は何科?
どんな症状になったら病院にいくべきですか?
脱水症状が進んでいるようであれば、病院を受診し診察を受けましょう。初期症状でも、食欲がない、ぐったりしている、元気がないようであれば、早めに受診しましょう。
【初期〜中程度の脱水】
・ のどの渇き
・ 汗の量が減る
・ 尿の量が減る
・ 口の中が乾燥する
【重度の脱水】
血圧が下がり、ふらつき・失神が起きやすくなり、腎臓、肝臓、脳などの臓器に重度の損傷が起きます。さらに悪化すると昏睡を引き起こします。
何科を受診すればいいでしょうか?
小児科・もしくは内科・消化器内科を受診してください。
この記事は健康検定協会から「子育てエンジョイライフ」に提供されました。