監修者
荒牧内科
院長:荒牧竜太郎先生
【職務経験】
福岡大学病院
西田厚徳病院
1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業
高熱はいつまで続くのでしょうか?受診する目安についても聞きました。
発熱は1〜3日ほどで治まることがほとんどです。
発熱は1〜3日ほど、水泡は3日〜1週間ほどで治まることがほとんどです。ただし、高熱が2日以上続いている場合は合併症のリスクがあるので、病院を受診しましょう。
病院を受診する目安はありますか?
高熱(38〜40度)・頭痛・嘔吐・意識障害・痙攣などの症状がある場合は、すぐに病院へ。
手足口病は、特効薬がありません。体をしっかり休め、次第に快方に向かうのを待つのが基本です。しかし、稀に髄膜炎やウイルス性脳症を発症する場合があります。このような場合は、高熱(38〜40度)・頭痛・嘔吐・意識障害・痙攣などの症状が現れます。この場合は、至急病院を受診しましょう。
高熱が続くとき、ママ・パパはどういった対応をするべきか解説してもらいました。
脱水症状に注意しながら、安静にさせましょう。
熱が出ている時には、安静にさせゆっくり休める環境を作ってあげましょう。熱が出ていると脱水になりやすいので、飲み物を少しずつでも取らせるように保護者の方が注意してください。
熱が下がらない場合
まずはしっかり休息・睡眠を。
症状が重い場合は病院を受診しましょう。
熱が続くこともあまりないのですが、高熱で辛いようであれば解熱鎮痛剤も使用できます。市販薬を買う場合は、薬剤師に相談してください。過去にアレルギーや薬で副作用があった場合は医療機関を受診しましょう。
風邪と同じで、しっかり休息を取らないと長引くこともあります。保護者の方は、睡眠がしっかりとれているかみてあげましょう。嘔吐・息が荒い・呼吸がしづらいなどの症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
熱が上がったり下がったりする場合
熱が完全に下がるまで、休息・睡眠の時間をしっかりとりましょう。
休息や睡眠がしっかりととれているか確認しましょう。せっかく幼稚園や保育園を休ませていても、家で休息がとれていなければ病気が長引く場合もあります。
嘔吐する場合の対処法
飲食を中止し、経口補水液を少量ずつ飲ませてください。
嘔吐後は、まず飲食を中止します。
1〜2時間後に、スプ−ン1杯程度の水分を飲ませてみましょう。その後は少量ずつ15分おきくらいに水分を与えてみてください。吸収が悪いお茶・真水・麦茶は避け、塩分、カリウムが含まれた経口補水液などを摂取させてあげましょう。
この処置をしても「4〜5回以上嘔吐が続く」「ぼんやりしている」「眠りがち」な場合は脱水症状になっている可能性が高いです。すぐに病院を受診してください。
子どもが嘔吐したものからの感染を防ぐためにできることを教えてください。
嘔吐物を処理する際には、感染に注意し、手洗いなどを十分に行いましょう。
痙攣をおこした場合の、応急処置を教えてください。
意識が朦朧状態のときは、名前を大声で呼んで声をかけることはNGです。痙攣の際に舌を噛む恐れや、無理に体を動かそうとしてしまうからです。
他にも以下のことを気をつけてください。
体を押さえたりしない、揺さぶらない
口の中に指や箸などを入れない
吐いたものが気管につまらないように顔を横にする
二次的な怪我をしないように目を離さない
などです。
食べ物や飲み物は何がいい?
おかゆ、うどんなど消化によく低刺激のものを食べましょう。
風邪の時と同様に、消化の良いものを食べさせてあげましょう。おかゆ、うどんや雑炊などが良いでしょう。
特に手足口病は、飲み込みの時の痛みが出やすい病気です。口腔内に湿疹ができることがあり、この湿疹は、飲み物や食べ物がしみるので、子どもが飲んだり、食べたりするのを嫌がる場合があります。低刺激のものを飲ませて、水分補給しましょう。アイスクリームやゼリーなども、食べられるようならあげて構いません。
保育園や幼稚園の登園は?
熱があるとき、食事が取れないときはしっかり休みましょう。
熱がある場合、食事がちゃんととれていない場合、本人の倦怠感が強い場合などであれば、保育園や学校は休ませましょう。
登園・登校する際には、ちゃんと熱が下がっているか確認してください。ウイルス疾患であり安静が一番の治療ですので、まずは安静で十分休養を取り、症状を改善させる事が重要です。
重症化した場合、どんな合併症が考えられますか?
ごく稀に髄膜炎・ウイルス性脳炎を起こす場合があります。
最悪の場合は生命にかかわることもあります。高熱やけいれん、ぐったりしているなどの症状があれば重症化している危険性があり、早急に医療機関への受診をお勧めします。
合併症を引き起こさないよう、親が気をつけるべきことを教えてください。
以下のような症状に気づいたら、早急に医療機関を受診してください。
嘔吐を繰り返す
ぐったりして、まったく元気がない
目がうつろ
視線が合わない
呼吸が速い
2日以上にわたり高熱が出ている
ママ・パパや他の兄弟姉妹が感染しないように、日常生活においてどんなことに気をつけるべきでしょうか?
物の共有を避け、マスクの着用・手洗いうがいを徹底しましょう。特にトイレの後はしっかりと。
家族に手足口病の患者さんがいる場合は…
本人・他の家族もマスクを着用し感染予防をしましょう。
おもちゃ・タオル・衣類・食器などを家族間で共有するのを避けましょう。
ご家族は、こまめに手洗い・うがいを行いましょう。
他にも…
手足口病は、治癒した後も便から2〜4週間ウイルスが排出されています。手足口病になった後の子どもは、トイレの後の手指消毒も保護者の方が指導してください。また、おむつ替えが必要な赤ちゃんが手足口病になったさいには、おむつ替えをする保護者の方が手指消毒の徹底を行いましょう。
こちらの記事は健康検定協会から「子育てエンジョイライフ」に提供されました。