0歳~1歳の赤ちゃんがかかりやすいRSウイルス感染症。その代表的な症状である高熱は、親にとっては心配なもの。あまり続くと「いつまで続くの?」と心配になりますよね。中には熱がぶり返す子どももいるようです。
監修者
荒牧内科
院長:荒牧竜太郎先生
【職務経験】
福岡大学病院
西田厚徳病院
1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業
発熱が長引くと、「普通はどれくらいの期間でおさまるものなのだろう?」と心配になります。
熱はいつまで続く?
RSウイルス感染症にかかったら、熱はどれくらいで下がることが多いのでしょうか?
個人差がありますが、発熱は4〜6日ほどであることが多いです。
4〜5日の潜伏期間があり、その後発熱などの症状が現れます。熱は、個人差がありますが、発熱は4〜6日ほどであることが多いです。1週間以上続く場合は病院を受診しましょう。
熱のピークは何日ごろになることが多いですか?
個人差が多いですが、発症後2~3日と考えられます。
早く治す方法はありますか?
まずは安静にしましょう。1歳未満の子どもは病院へ!
RSウイルスには、治療に有効な抗ウイルス薬がありません。
重症化するリスクの低い1歳以上の子どもには、一般的な風邪の時と同様の対処療法が行われます。
1歳未満の子どもは、呼吸がうまくできず無呼吸や呼吸困難になることもあるので、しっかり目をはなさず観察しておくことが必要です。病院に行って対処法を聞きましょう。
気管支炎や細気管支炎、肺炎などを発症する可能性も高いので入院して様子をみることもあります。
熱が高いときの対処法を教えてください。
脱水にならいよう飲み物を少しずつでも飲ませながら、安静にしましょう。
熱が高ければ、脱水にならない様に十分注意をし、解熱剤を使用することもあります。RSウイルスによって発熱しているのであれば、市販の解熱剤でも大丈夫ですが、念のため診察をして医師に処方してもらうか、または医師に相談するようにしてください。
何度まで上がると危険?
子どもの熱が39度まで上がりました…。熱は何度まで上がると危険ですか?
熱が38度以上になったら、小児科を受診しましょう。特に1歳未満の赤ちゃんは注意が必要です。
熱が38度代に上がるようであれば、一度小児科で診察を受け、他に発熱を起こす病気や異常がないか確認をしておくとよいでしょう。
RSウイルスによって、重症化が見られるのは1歳未満のお子さんです。1歳未満の子どもが発熱をした際には、速やかに病院を受診しRSウイルスの確定診断を受けましょう。しかし、1歳未満の赤ちゃんは、熱が上がらずにミルクや母乳を飲まない。元気がない、ぐったりしている、呼吸が止まっているといった症状が現れる場合もあります。RSウイルスが流行る冬の時期は、特に赤ちゃんの様子を観察し注意しましょう。
熱が下がらないときの対処法
熱がずっと下がりません。どう対処したらいいでしょうか?
脱水にならないように注意してください。
RSウイルスには、抗ウイルス薬がなく、自然治癒を待つことになります。熱が出ている時は、免疫が働いて、ウイルスと体が戦っている時期を考えてください。発熱時注意することは脱水にならないよう注意してください。脱水が悪化すれば解熱もしづらくなります。
熱が1週間も下がらないとき、どう対処したらいいでしょうか?
すぐに病院を受診してください。
発熱期間が長い場合他の病気やウイルス感染後の細菌感染などの混合感染をおこされている場合や他の病気で発熱している可能性があります。早急に病院を受診して、他に異常がないか診察を受けましょう。
熱が上がったり下がったりするときの対処法
熱が上がったり下がったりします。ぶり返す原因はなんですか?
一時的に体がラクになって動きまわるのが原因かもしれません。
子どもの発熱や感染症の発熱は、上がったり下がったりを繰り返しながら下がっていくのが一般的です。
“午前中は下がって午後から上がる場合”の原因としては、午前中は熱が下がって体が楽になると、子どもはじっとしていられなく動いてしまい、その疲れにより午後から発熱するということが考えられます。
どう対処してあげたらいいのか、教えてください。
暖かい部屋で安静にできる環境を整えましょう。
安静にするようにいい聞かせで日中もおとなしくできればよいのですが、まだわからない赤ちゃんであれば動いてしまうのを抑えるのは困難です。
その際は、部屋を暖かくし、加湿をして、部屋で保護者の方とゆっくり過ごせる環境を作ってあげましょう。
夜になると熱が上がるときの対処法
夕方から夜にかけて、熱が上がります。どうしてでしょうか?
夜まで発熱しなくなるまで様子を見ましょう。
朝、熱が下がっているからと、登園させると、午後から熱が出て早退しなければいけない…ということもよく耳にします。朝から昼は熱が下がり、体調も良いので、体を動かして、夕方から夜に疲れが出て熱が上がってしまうことがあります。朝解熱していても、夜も熱が出なくなるまでは登園は様子を見ましょう。
夜に熱が上がったら、どう対処してあげたらよいか教えてください。
脱水症状に注意しつつ、ゆっくり寝られる環境を整えましょう。
楽な体制にして、暖かいものを飲ませると徐々に眠くなります。熱が高く、眠れないようであれば、水分を与え、抱っこしてあげて落ち着くまでそばにいてあげましょう。
夜中高熱が出ていても、脱水がなく、呼吸も落ち着いて、静かに眠っているようであれば無理に起こして、解熱剤を与える必要はありません。呼吸が正常か、水分が取れているかを十分注意して見ましょう。
また、体調が悪く、日中ながくお昼寝をしてしまうと夜が遅くなる場合もあります。その場合も、寝ないようであれば無理せず、ゆっくり過ごしてあげましょう。
熱性痙攣の対処法
熱性痙攣をひきおこしたとき、どう対処すればいいのか教えてください。
5分以上痙攣が続く・けいれんに左右差がある・発作後の様子がおかしい・発作を繰り返す場合は、救急車で緊急受診してください。
<熱性痙攣対処法>
安全な場所に移す(平らで物がない場所)
衣服を緩める
嘔吐物が、喉につまらないよう顔を横に向ける
<やってはいけないこと>
痙攣中に無理に体を押さえつけない
口に手や物を入れない
熱性痙攣が始まったら、まずは保護者の方が落ち着いて対応しましょう。5分以内で収まるようであれば、その後、すみやかに病院を受診してください。
熱があるときお風呂ははいっていい?
熱があるときは、お風呂は控えたほうがいいのでしょうか?
体力が十分に回復するまでは、お風呂は控えましょう。
お風呂は、絶対にNGではありませんが入浴にはかなりの気づかない発汗を伴い、発熱時には脱水が悪化してしまいます。まだ具合が完全に良くなっていない時に、服を脱がされ、濡れるという状況は、とても体力を消耗します。一般的には発熱が収まり、体力が十分に回復するまで、お風呂は控えた方が良いでしょう。また汗をかいた際には、着替えさせ、温かいお湯で絞ったタオルで、顔を拭いてあげるとさっぱりします。
この記事は、健康検定協会から「子育てエンジョイライフ」に提供されたものです。
参考
RSウイルス感染症Q&A(平成26年12月26日)|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/rs_qa.html
保育所における感染症対策ガイドライン – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf
こどもの病気治療の本当のこと“Dr.365”のこどもの病気相談室 著/白岡亮平(小学館)