赤ちゃんがあせもになっちゃった!どうすればいい?
なかなか治らなくて心配…。
そんなママ・パパは必読!小田原銀座クリニックの長谷川先生に、赤ちゃんのあせものケアの方法を聞きました。治らない原因や、病院を受診する場合は何科にいくべきか等も聞いたので、ぜひ参考にしてくださいね。
小田原銀座クリニック
長谷川佳子 先生
赤ちゃんのあせも対処法
たくさん汗をかき、汗腺が詰まってしまうとできるのがあせも。正式には、「汗疹」と呼びます。赤ちゃんにあせもができてしまったら、ママ・パパはどうケアをすればいいのでしょうか?
基本の対処法
赤ちゃんの体を拭く
赤ちゃんにあせもができちゃった!
悪化させないために、どんな対処をすればいいでしょうか?
まずは肌を清潔に保ち、保湿をしてあげましょう。
汗をかいたらそのままにせず、その都度濡れたタオルで拭き取りましょう。その際強くこすらないように気をつけてください。汗の量によっては、シャワーやお風呂で洗い流すことも大切です。石鹸は使わず、ぬるま湯で洗い流す程度で十分です。
乾燥すると皮膚のバリア機能が低下する恐れがあります。保湿をしましょう。必要に応じて、おむつや洋服も取り換えてあげてください。
患部をかいてしまうとき
爪を切る
赤ちゃんが患部をかいてしまいます。
爪を切ったり、ミトンをつけてあげましょう。
かゆみを伴う場合、赤ちゃんが自分であせもをひっかいてしまうこともあります。そうすると、傷口から細菌が入り、炎症を起こす場合もあります。赤ちゃんの爪を切ったり、ミトンをつけたりして、ひっかかないようにしましょう。
患部ごとの対処法
お腹や顔、頭などいろいろなところにあせもができます。
患部によって、対処法に違いはありますか?
どの患部も「肌の清潔を保つ」のが第一です!
あせもは、汗をかきやすい場所(額、首回り、わきの下、背中、おしり、肘や膝の裏など)にできやすいとされています。皮膚が重なり合う為に出来やすく、また汗が溜まりやすい部分です。患部によって対処法が変わるということはありません。
どの部位にも共通して言えるのは、汗はこまめに拭き取り、皮膚を清潔に保つということです。体に関しては、通気性・吸湿性の良い衣類を選ぶことも大切です。
自然治癒する?
あせもは清潔に保っていれば、自然治癒することもあります。
水晶様汗疹と呼ばれる透明のあせもは、清潔に保つことで良くなることもあります。
紅色汗疹は、かゆみや炎症を伴います。医師や薬剤師に相談のうえ、炎症を抑える薬を使用しましょう。
なかなか治らない原因
あせもがなかなか治らず長引く場合、どうすればいいのでしょうか?
お薬やお部屋の環境、感染症の可能性など原因は多岐にわたします。一度病院を受診しましょう。
原因を特定するのは難しいことも。セルフケアの方法や環境(部屋の湿度・温度など)、お薬を見直す必要があるかもしれません。また、あせもが悪化して皮膚感染症になっている可能性も考えられます。
なかなか治らない場合は、医療機関を受診して専門医に相談しましょう。
あせもができやすい赤ちゃん
うちの子、あせもができやすい気がします・・・なんででしょうか?
汗をかきやすい赤ちゃんは、あせもができやすいです。
赤ちゃんは、新陳代謝が良く、体に対して汗腺の数が多いと言われています。そのため汗をかきやすく、あせもができやすいのです。
病院にいくべき症状
すぐに病院に行ったほうがいい症状があれば、教えてください。
・あかみの範囲が広い
・かゆみがひどい
・水ぶくれができている
・なかなか治らない
などの場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
あせもをひっかいてできた傷口から細菌に感染し、「とびひ」や「汗腺膿瘍」という感染症になっている可能性もあるからです。
何科を受診?
赤ちゃんのあせもは、何科に行けばいいのでしょうか?
皮膚科を受診してください。
あせもは、皮膚のトラブルです。小児科と迷われる方もいらっしゃるかもれませんが、専門医のいる皮膚科を受診しましょう。
処方されるお薬は?
病院に行ったら、どんなお薬が処方されるのでしょうか?
症状に応じて、様々なお薬が処方されます。代表的なものは、ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬です。
「ステロイド外用薬」
皮膚に直接塗ることで、炎症を抑えます。塗る場所や症状の重症度によって、お薬の種類が異なります。
「抗ヒスタミン薬」
アレルギー反応を引き起こす物質であるヒスタミンの働きを抑え、炎症やかゆみを抑えます。また、あせもが悪化して細菌感染をしてしまった場合には、抗菌薬が処方されることもあります。
市販品を使ったケアは?
市販のお薬やベビーパウダーなどなど・・・。使っていいか迷ってしまいますよね。
症状を悪化させる場合があります。薬剤師に一度相談しましょう。
市販薬を使用する場合は、薬剤師に相談して選びましょう。心配であれば、医師の診察を受け、処方してもらうことをおすすめします。
ワセリンや油分の多い保湿クリームは、汗腺を詰まらせ、症状を悪化させることもありますので、注意が必要です。
ベビーパウダーは?
あせもの予防にはOK。あせもができてしまった後の使用は避けましょう。
汗を吸い取って皮膚を乾燥させるベビーパウダーは、あせもの予防にはよいでしょう。しかし、あせもができてしまったあとは汗腺が詰まる原因となる可能性もあるため、控えた方が無難です。
もしかしてアトピー?
あせもは一時的な炎症、アトピーは慢性的な炎症です。
あせもは一時的な炎症ですが、アトピーは皮膚の代謝異常を起こしかゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返し、慢性化する病気のことを言います。肌のバリア機能の弱い体質だと、起こりやすいのが特徴です。
かゆみをともなう炎症が続く場合は、あせもではなくアトピーの可能性があるので一度病院を受診しましょう。
こちらの記事は、健康検定協会から「子育てエンジョイライフ」に提供されたものです。
参考
あせもケア|佐藤製薬株式会社 ポリベビー
http://www.polibaby.jp/cream/rescue/asemo.html
抗ヒスタミン薬|日経メディカル
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/article/556e7e5c83815011bdcf833e.html
ステロイド|医療法人財団 順和会 山王病院
https://www.sannoclc.or.jp/hospital/patient/department/hifuka/sesshoku.html
アトピー|国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/allergy/atopic_dermatitis.html