「下痢や腹痛、吐き気の症状…ウイルス性胃腸炎かも?」
そんなとき、市販薬や鎮痛剤を服用してもいいのか迷いますよね。
今回は、ウイルス性胃腸炎が疑われる場合の市販薬の使用可否や、病院へ行くまでにどんな対処法をしたら良いかについて、お医者さんにお話を伺いました。
市販薬は避けた方が良い?
一般的なウイルス性胃腸炎は、ウイルスが体の中で爆発的に増えて、腹痛や下痢、嘔吐といった症状を起こします。
お子さんがウイルス性胃腸炎にかかってしまうと、トイレまで排泄が間に合わない、布団で嘔吐してしまうなど、保護者の方はヒヤヒヤしてしまうことが多くなります。
この嘔吐や下痢は、体の中で増えたウイルスを体外に出す手段であり、むやみに、薬を使用して止めてしまうとウイルスが体内に長く留まり、体調不良を長引かせることがあるのです。
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体調や症状の状態によって対応が異なることもありますが、ウイルス性胃腸炎にかかった際は、早めに医療機関を受診し、市販での下痢止めや、吐き止めの薬の使用はなるべく避けるようにしましょう。病院で点滴などを受けて、脱水などの対処を早く受けるようにしましょう。
症状別!病院に行けないときの対処法。市販薬が使えるのは?
吐き気が止まらない
このようなときに、無理に水分を取るとまた吐くことがあります。まずは1時間程度、何も口に入れず様子を見てみてください。吐き気がおさまったら経口補水液や水分を少量口に含ませ飲んでみます。その後、徐々に経口補水液や水分、スポーツドリンク、スープなどを少量ずつとってみましょう。
下痢が止まらない
下痢は、ウイルス性胃腸炎の症状ですが、数十回下痢を繰り返す・下痢が止まらない・便に血が混じるという場合は、緊急で病院を受診してください。合併症や重い食中毒の恐れがあります。
吐き気が強い場合にも早めに医療機関を受診しましょう。腸炎で一番問題となるのは下痢や吐き気による脱水です。
頭が痛い
ウイルス性胃腸炎による頭痛であれば、使用上の注意を守り、鎮痛剤を使用することもできます。
発熱している
こちらも、辛ければ、頭痛同様に解熱鎮痛剤を使用できる場合もあります。ウイルス性胃腸炎の場合、発熱は37~38℃になることがあります。
しかし、あまりに高い熱がある、高熱が下がらないといった場合には、別の病気も視野に入れ検査する必要があります。早めの病院受診を心がけてください。
市販薬を服用する際の注意点
子どもが大人と同じ市販薬を服用しても大丈夫?
しかたなく市販薬を使用される場合は、子どもは必ず子ども用のものを使用してください。
子どもは体も小さく、抵抗力も弱く、内臓の働きも弱い場合があります。薬の添付文書を確認の上、年齢や体重にあった薬の量を使用してください。
市販薬の使用は薬剤師によく相談してから使用してください。
市販薬を服用する際の注意点
市販薬を使用して、具合が悪くなった場合は、すぐに使用をやめ病院を受診してください。その際、飲んだ薬も受診の際に持って行きましょう。
ウイルス性胃腸炎が様子を見てもよくならない、水分を取ることができないといった場合は、大人の場合は内科・胃腸内科を受診して診察を受けましょう。
子どもの場合は、小児科を受診しましょう。ウイルス性胃腸炎は、ワクチン等では予防することができません。日常生活での日々の予防が重要です。こまめに石鹸を使った手洗いやうがいなどを徹底し、食品はよく火を通して食べましょう。
こちらの記事は、健康検定協会から「知るほどなるほど EPARK REPORT!」に提供されたものです。
<参考>
厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
IDSC感染症情報センター ノロウイルス感染症とその対応・予防
http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/taio-b.html