おすすめの風邪薬を薬剤師が解説!
風邪を悪化させないため、ドラッグストア、薬局などで市販されている風邪薬をストックしておきたいという方が多いようですね。
しかし、たくさんある総合風邪薬の中から一つを選ぶのは、とても難しいです。
そこで、どのようにして市販の風邪薬を選べば良いのか、選び方のコツをご紹介します。
<執筆・監修>
薬剤師 石上和子
静岡薬科大学出身、現在、管理薬剤師として関東の薬局で活躍中。
総合風邪薬って何?
総合風邪薬とよく言われる薬は、総合感冒薬といいます。市販の総合感冒薬は、風邪症状でよく現れる症状に対して、総合的に対処できる成分が入っている薬です。
風邪は、病気の正式名称ではありません。本来は、「感冒」と呼ばれ、呼吸器を中心に発症し“自然に軽快する”症状を総称して感冒といいます。
※ここでは、引き続き風邪とします。
風邪ウイルスに対しての治療薬は存在しない!
風邪は、主にウイルス感染により起こります。体の免疫機能低下により、風邪症状をもたらウイルスに感染して、発熱、鼻水、咳、関節痛、悪寒などの症状が現れます。
この風邪自体に対しての治療薬というものは存在しません。風邪をひいて、病院へ行っても同様で、対症療法が行われます。鼻水が辛いようであれば、鼻水の症状を緩和させる薬が処方され、咳がひどい場合は、咳症状を楽にさせる薬が処方されるといった具合です。
症状別の風邪薬の選び方
風邪薬 おすすめ
一例ですが、ご紹介します。
市販薬を購入する際は、一人で悩まずに薬剤師に相談しましょう。症状や体調を確認して、ご自身が辛いと感じている症状を緩和してくれる成分が入っている薬を選んでもらいましょう。
鼻水症状を緩和する
鼻水やくしゃみを緩和させてくれる抗ヒスタミン薬と言われる薬を選びましょう。
成分は、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミンなどがあります。
のどの痛みには
喉の痛みの緩和には、トラネキサム酸、グリチルリチン酸などが配合された風邪薬を選ぶと良いでしょう。
咳が止まらない方には
デキストロメトルファン、チペビジン、ノスカピンなどが配合された咳止めを選んでください。
痰をとれやすくする成分には、ブロムヘキシン塩酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩などがあります。
吐き気がでやすい方には
吐き気を伴うときは柴胡桂枝湯という漢方薬がおすすめです。
発熱症状の緩和
熱を下げて、頭痛、関節痛などを緩和させます。イブプロフェン、アセトアミノフェン、アスピリンなどがあります。
風邪の症状を緩和する漢方薬
風邪のひき初めに葛根湯、鼻水くしゃみに小青竜湯、せきに麦門冬湯、のどの痛みに桔梗湯を選ぶと良いでしょう。
市販薬を服用する際の注意点
市販薬でも、使用上の注意を守らずに服用すれば症状が快方に向かわない場合もあります。それだけではなく、多用すれば体に負担がかかり、体を壊すこともあります。
胃腸に負担がかかる空腹での使用は避けましょう。特に飲酒をしてからの服用は作用が強く出る場合があるので厳禁です。
また、総合感冒薬と風邪の症状別の薬や漢方薬の併用は可能ですが、一度薬剤師に相談してから使用すると安心です。
改善しない場合はアレルギーの可能性も!
市販薬を飲んでいて体調が良くならない、悪化してきているという場合は、成分にアレルギーを起こしている、または体調自体が悪くなっているとも考えられます。
服用した薬を持って、病院を受診しましょう。