「排尿時にちょっと痛い…これって膀胱炎?」
もしこんな悩みがあったとしても、なかなか人には相談しづらいですよね。
この記事では、ストレスや性行為といった膀胱炎の原因から、男性と女性の症状の違いなど、医師に詳しく解説してもらいました!
膀胱炎になる仕組み
膀胱炎は、まず腸内において発生した細菌が、肛門から膣、尿道、膀胱、腎盂へと移行していくことで発症します。
女性の体は、膣と肛門が近い構造になっており、尿道が男性より短いため、細菌が膀胱内に入りやすく、膀胱炎の発症リスクが高くなっています。
膀胱炎の原因
ストレスによる免疫力の低下
過度のストレスを抱えると、ホルモンのバランスが崩れます。
すると、免疫力や抵抗力が低下し、入ってきた細菌等が繁殖しやすくなり、膀胱炎を発症します。
ストレスを感じると、トイレが近くなる、残尿感がある等の症状がみられる場合は要注意です。
性行為で大腸菌が付着する
性行為により、尿道口の周りに大腸菌等が付着しやすくなる、尿道周りの粘膜が擦れて小さい傷がつきやすくなる等により、細菌が膀胱に侵入して膀胱炎が起こります。
排尿を我慢しすぎる
排尿を我慢して膀胱内に尿が溜まる時間が長くなると、膀胱内で細菌等が繁殖しやすくなり、膀胱炎を発症することがあります。
その他にも、下記の原因で膀胱炎を発症することがあります。
「睡眠不足、風邪、過労等により、体の免疫力が低下している場合にも発症しやすくなる。
服用した薬剤、食べ物の刺激等が原因になる場合がある。
生理用ナプキン等をまめに交換しないと細菌が繁殖しやすくなる。」
性別・年齢・妊娠中で原因が異なる場合も
女性は体の構造的に細菌が入りやすい
女性特有の体の構造上、尿道口のそばに膣や肛門があるため細菌が付きやすい、尿道が短いため膀胱内に細菌が入りやすい、生理時の経血により外陰部が清潔な状態を保ちにくい等により膀胱炎を起こすと考えられています。
男性に多いのは「慢性膀胱炎」
男性の膀胱炎で多いのは慢性膀胱炎※です。
慢性膀胱炎は、前立腺肥大症、尿路結石、腫瘍(尿路に生じた)等が原因で発症するケースが多いようです。
また、膀胱が非特異的な慢性炎症を起こし、膀胱痛、尿意亢進、頻尿、尿意切迫感等の症状を呈する間質性膀胱炎※もみられます。
※慢性膀胱炎…膀胱炎が起こる何かしらの原因の病気が背景にあって何度も繰り返し起こるもの
※間質性膀胱炎… 細菌性の膀胱炎ではなく、原因不明で炎症が起こるもの
子どもの膀胱炎の原因
子どもに多い膀胱炎の原因としては、膀胱尿管逆流、重複腎盂尿管、尿道狭窄、尿管瘤等が挙げられます。
乳幼児では、免疫機能が未発達なため細菌感染を生じやすく、女児に多く発症する傾向にあります。
『症状がうまく伝えられない乳児や子どもの場合、下記のような変化がないか見てあげましょう。
・トイレの回数が増える。
・トイレの度に痛がる。
・乳児であれば機嫌が悪くなる。』
その他、発熱、血尿などといった症状があれば、膀胱炎の可能性があります。
また、間質性膀胱炎や骨盤痛症候群と呼ばれる原因不明の膀胱炎もあり、酸っぱい、辛い等の食品等、子どもの体質に合わないものを食べた場合に症状が出現するケースがあるようです。
この記事の続きには
妊婦の膀胱炎/膀胱炎は繰り返す? などを掲載しています。