風疹は、発熱・リンパ節の腫れ・発疹といった症状が特徴的な伝染性の病気で、『三日ばしか』とも呼ばれます。
日本では約5年ごとに大規模な流行がみられましたが、近年は少しずつ流行が減ってきている傾向にあります。
とはいえ大人も子供もまだまだ油断はできません。
この記事では、風疹の症状について詳しく 岡村クリニック 院長:岡村長門 先生に解説していただきました。
風疹の症状は?大人と子どもの違いについて解説
1.風疹の代表的な症状と潜伏期間
症状
ウイルスに感染してから14~21日の潜伏期間を経て、次のような症状があらわれます。
38度以上の発熱(感染者の60~70%程度)
発疹
リンパ節の腫れ(耳介後部、後頭部、頸部)
はっきりとした症状が出ない場合も
風疹は合併症を伴うほど重い症状が出ることもあれば、感染してもはっきりとした症状が出ず、健康状態と変わりないように見えることもあり(不顕性感染)、発見しづらい病気と言えます。
ちなみに風疹感染者の15~20%は症状が出ないと言われています。
2.子どもの感染症状
子どもは先に解説したような代表的な症状が出ても3~4日程度で回復しますが、まれに次のような合併症を起こすことがあります。
急性脳炎:4,000~6,000人に1人程度
血小板減少性紫斑病:3,000~5,000人に1人程度
3.大人の感染症状
大人は発熱や発疹が引くまでに1週間以上かかることがあり、子どもと比べて重症化しやすいと言えます。また、感染者の5~30%の方に関節痛の症状もみられます。
似たような疾患に注意
下記の疾患は、風疹と似た症状を持ちます。
溶血性連鎖球菌による発疹
伝染性紅斑(りんご病)
伝染性単核球症(EBウイルス感染症)
風疹と混同しないよう診断を確定する必要があり、そのために血液検査を行うこともあります。
【妊婦は感染に要注意】
風疹の感染歴がない妊婦の方(特に妊娠20週頃まで)は、風疹に感染すると非常に危険です。
妊婦が感染すると風疹ウイルスが胎児に達し、『先天性風疹症候群』を引き起こすことがあります。
他にも様々な症状が胎児におよぶ可能性があります。続きはこちら