胸にしこりを見つけると、乳がんを疑ってしまいますが、乳がん以外の病気でも胸にしこりができることがあります。
乳がんかもしれないと疑うことは必要ですが、まずは落ち着いて自分の症状を把握し、他の病気を疑うことも大切です。
この記事では、胸にしこりができる原因や、病院で受ける検査などについて、岡村クリニック
院長:岡村長門 先生よりご紹介いただきました。
胸にできるしこりの原因
胸にできるしこりの原因として、考えられる病気について解説していきます。
1. 乳腺症
乳腺症 は、胸にしこりがあることで病院を受診する人の中で、もっとも多い病気だといわれています。言い換えれば、乳腺の病気の中でもっとも多い、良性の病気です。
30代後半~閉経前の女性に多い
さまざまな年代の女性が発症しますが、多くは30代後半から閉経前の女性に見られます。
特徴としては、基本的に両方の胸にしこりが見られ、生理などホルモンの変化によってしこりが張ったりすることがあります。
乳房全体に痛みを感じることもあれば、しこり辺りが強く痛むこともあり、分泌物が見られることもあります。
生理が終われば症状が軽度になることが特徴です。
自己判断は禁物
多くは、閉経すると自然に良くなっていくことが多いので、治療を行わずに症状を和らげたり、経過観察をすることが多いですが、しこりは乳がんなど他の病気である可能性もありますので、自己判断は禁物です。
組織検査が必要なことも
しこりが大きい、硬いなどの重度のものである場合や、乳がんとの判別が難しければ、組織を抽出するなど別の検査が必要になります。
2. 乳腺炎
授乳中の人が発症
乳腺炎は、乳腺に炎症を起こす病気で、授乳中の人が発症します。
授乳中にしこりを見つけた場合には、まずは乳腺炎を疑ってみましょう。
乳腺炎には二つある
乳腺炎は大きく分けて二つあります。
乳汁が溜まって炎症を起こしてしまう『うっ滞性乳腺炎』と、授乳などが原因で乳頭に傷ができた時に、そこから菌が侵入して化膿してしまう『化膿性乳腺炎』があり、併発することもあります。
しこり・腫れ・発熱があったら受診
胸にしこりを感じるほか、乳房全体が赤く腫れるので、一つの判断の目安になります。
俳膿や俳乳で症状は治まりますが、発熱することもあるので乳腺炎が疑われる場合には早めに病院を受診しましょう。
この記事の続きには、残りの「乳がん」を含む、胸にしこりができる原因3つをご紹介しています。ぜひごらんください