主な臓器のうち同じものがふたつあり、一対になっているのが「肺」と「腎臓」です。肺の「酸素を体内に取り込む」という働きはよく知られていますが、腎臓はどんな働きをするのかご存じでしょうか? 「ふたつ」あるのはどうして? 今回は、「腎臓の働き」について、医療法人小田原博信会 理事長、医学博士 岡村信良先生よりご紹介いただきました。
■腎臓の主な働きは尿を作ること
腎臓は、肋骨(ろっこつ)の一番下辺りの内側(背中側)に位置する臓器で、左右一対あります。腎臓の主な働きは、
血液をろ過して尿を作り出す
体内の塩分濃度の調節
血圧の調節
の3つです。
腎臓には、血液をろ過して原尿を作る「腎小体」と、原尿から栄養素を再吸収する「尿細管」があります。この腎小体と尿細管の集合体は「ネフロン」と呼ばれ、腎臓には左右合わせて200万個ものネフロンがあります。
200万個のネフロンのうち、実際に動いているのは10%程度。それ以外はもしものときのためのバックアップです。たとえば、けがなどで腎臓をひとつ摘出したとしても、残りの腎臓のネフロンでカバーするのです。
腎臓に流れ込んだ血液は、腎小体でろ過され、このときこし取られた老廃物や余分な水分が原尿となります。しかし、原尿にはまだ栄養素が残っているので、尿細管を通る過程で必要な栄養素を再吸収します。そして残ったものが尿として腎盂(じんう)に集まり、そこから尿管を通って膀胱(ぼうこう)へと運ばれます。
この記事の続きには、「腎臓の重要な仕事:塩分濃度の調節とは?血圧の調整とは?」などについて解説しています。ぜひ、ご覧ください。