高血圧はしばしば「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」と呼ばれます。普段はあまり自覚症状がなく、しかし放置すると心筋梗塞・脳卒中など命にかかわる病気を助長するからです。
女性は40歳以上になると高血圧の人が増加します。これはなぜなのでしょうか?
今回は、高血圧に関して医療法人小田原博信会 理事長、医学博士 岡村信良医師に詳しく解説いただきました。
■「高血圧」はなぜ怖いの?
まず、なぜ高血圧が「殺し屋(キラー)」呼ばわりされるほど怖いものなのかを知っておきましょう。
高血圧とは、血圧が正常な範囲を高く超えて維持されている状態のこと。ですので、たまに高血圧になるとか、一時的に血圧が上がるといったケースは普通「高血圧」とは呼ばず、問題にはなりません。
問題になるのは、高い血圧の状態が普通になっている・慢性的になっている場合です。高血圧が日常化すると、血管に高い圧力がかかり続けて動脈壁が厚くなり、脳、心臓、腎臓などの動脈硬化を進行させてしまうのです。
動脈硬化とは、文字どおり動脈が硬くなることですが、血管の弾力性が失われて、そこに血液を送る心臓の負担が大きくなります。そのため、心臓の筋肉はやがて肥大化。収縮力が弱くなると心不全の状態が起こるのです。また脳では、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)が発生しやすくなります。
さらに、高血圧が続くと脳・心臓・腎臓などで合併症を引き起こしやすいのです。高血圧の人が「脳卒中」「心筋梗塞」での死亡率が高いのは、このような理由によります。
この記事の続きには、「男女で高血圧になりやすい年齢は違う!」「女性は、女性ホルモンが減ってくる40歳代には体の変調には十分注意!」などをご紹介しています。ぜひご覧ください。