「水中毒を起こす摂取量とは?どれくらい飲むと危険?対処&予防法も!」
一度に多量の水分を摂ることで血中のナトリウム濃度が低下すると、吐き気や頭痛といった水中毒の症状が表れます。
水は人体にとって欠かせないものですが、採りすぎるとむしろ有害になります。
この記事では水中毒を引き起こす量と1日に必要な水分量、水中毒の対処法&予防法を医療法人 小田原博信会 久野銀座クリニック 理事長:岡村信良 先生よりご紹介いただきました。
〜水中毒を起こす摂取量とは?〜
1.血中のナトリウム濃度が低下すると危険
1日に3リットル以上の水分を摂取するか、短時間に1リットル以上の水を飲んだ場合、水中毒を引き起こすとされています。
これは水分の過剰摂取によって、血中のナトリウム濃度が低下してしまうために起こる症状です。
2.イオンバランスが保たれていることが重要
血中ナトリウム濃度が正常に保たれていれば、多少水分を摂りすぎても大丈夫です。
簡単に言うと、塩分を摂ったり余分な水分を体外へ排出できたりしていれば、問題ありません。
しかし汗をかく習慣がない人や減塩を心がけている人などは、もともと塩分が不足している状態なので、水分を多量に摂ると水中毒を起こしやすくなります。
◉イオンバランスとは?
イオンにはナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。
これらのイオンはプラス、マイナスがあり、マイナスイオンとプラスイオンのバランスをイオンバランスと言います。
◉ナトリウム・ミネラル・塩分の関係
ミネラルという大きなカテゴリーの中にナトリウムがあります。
塩分はナトリウムを含んだ成分です。
◉イオンバランスと血中ナトリウム濃度の関係
塩分にはナトリウムイオンとクロールイオンが含まれています。
そのため、塩分が不足するということはナトリウムも不足していることで血液のナトリウム濃度が薄まりイオンバランスが崩れて水中毒の症状が出ます。
4.致死量について
血中のナトリウム濃度は、1リットルあたり135~145mEqが正常値とされています。
致死量は個人差もあるため一概には言えませんが、この値が100mEqまで低下した場合、神経の伝達が阻害されることで呼吸困難が起こる可能性があります。
そして最悪の場合死に至る可能性があるため、短時間で相当量の水分を摂らないよう注意が必要です。
◉水以外の飲み物でも水中毒になる?
水以外の飲み物でも水中毒は引き起こされます。
お茶やジュースにはミネラルがほとんど添加されていないため、多量に摂取すると体内のイオンバランスが崩壊します。
スポーツドリンクには多少ナトリウムが含まれていますが、イオンバランスが崩れて水中毒の症状が出ている状態から元に戻すには十分な量とは言えません。
そのため多量の汗をかくなどで脱水状態となったとき、お茶やスポーツドリンクを一気に飲むと、水中毒を引き起こしやすくなります。
水だけに限らず、飲料水の短時間での多量摂取は望ましくありません。
脱水時の水分補給は、イオンを多く含んでいる「経口補水液」をこまめに飲むのが良いでしょう。
この記事の続きには、「1日に必要な水分量とは?」「水中毒対策」「水中毒の治し方」など役立つ情報が満載です!ぜひご覧ください。
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