最近、なかなか治まらない微熱の症状に悩む人が増えています。
原因として挙げられるのは何らかの病気か女性特有の体調変化などですが、それ以外の原因で微熱が続く場合もあります。原因がわからないと「なぜ…?」と不安を抱えて過ごすことになります。
こちらの記事は、そんな微熱の原因や、女性特有の症状について、医療法人 小田原博信会 久野銀座クリニック理事長 医学博士 岡村信良 先生よりご解説いただきました。
●微熱のしくみと原因
1.熱が出るしくみ
発熱は、体内で何らかの異常が発生していることを伝える症状の一つです。
人の体温は、脳視床下部で最適な温度になるよう調節されています。
視床下部には『体温調節中枢』があり、この部分が発する指令によって皮膚血管の収縮や筋肉の震え、鳥肌といった反応が起こります。それに伴って体温が上昇する仕組みです。
●病原体が侵入すると抵抗反応が起こる!
健康な状態であれば人の体温は、脳内にある「体温調節中枢」によって36℃前後に維持されますが、体に病原体が侵入すると視床下部が指令を出し、体温が上昇します。
発熱自体は有害なことではありません。体内に侵入した病原体やアレルギー等に負けないための防御反応であり、体の免疫力向上にもつながる有益なことです。
また、発熱した体は病原体にとって生きにくい環境となるため、さらなる病原体の増殖を抑制する効果もあります。これは、病原体の除去をする白血球が発熱によって活性化するためです。
2.病気による微熱
微熱が続く場合、何かの病気が原因となっている可能性も考えられます。
微熱と関係のある、代表的な病気をご紹介します。
●風邪などの上気道感染症ウイルス感染により起こるもので、微熱が続く場合があります。
●関節リウマチ手の指、手首、足首、足の指、肘等に痛みが生じ、微熱が続く場合があります。
●結核古い病気というイメージかもしれませんが今でも多くの発症があり、咳、微熱、倦怠感といった症状がみられます。
●膠原病(こうげんびょう)免疫病の一種で、炎症が持続するため発熱があります。
●尿路結石排尿時に激しい痛みが生じます。微熱が続く場合があります。
●バセドウ病
甲状腺ホルモンの分泌量が多くなることで、体の代謝が急激に活性化します。微熱が続く、疲れやすい等の症状がみられます。
●白血病
微熱が続く、貧血、出血しやすくなるなどの症状がみられます。
●癌などの悪性腫瘍
腫瘍熱といわれる微熱が続くことがあります。
3.女性特有の体調変化による微熱
●生理周期
女性には生理周期による体温変動があります。排卵後から生理が始まるまでの期間は、子宮内を温めるために黄体ホルモンの分泌が増えます。
この黄体ホルモンの影響を受けて微熱が出ることがあり、人によっては38℃くらいまで発熱する場合もあります。
微熱とともに身体の倦怠感や寒気等、風邪に似た症状が出ることもありますが、これらの症状は月経前症候群(PMS)と呼ばれるもので、生理が始まると症状が緩和され平熱に戻ります。
●妊娠
妊娠の症状として、微熱が続くことがあります。
予定日を過ぎても生理が始まらず、微熱が続く場合は妊娠の可能性があります。
●更年期障害
女性ホルモンの変化によってホルモンバランスが乱れると、自律神経に影響が及びます。
これが原因となって微熱が出ることもあります。
この記事の続きには…「微熱が出るのには、病気以外の原因も!」「微熱が続く場合の対処法」などを掲載しております。ぜひご覧ください。
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