web「健康ぴた」に健康検定協会協力の記事が掲載されました。
今回は、「B型肝炎ウイルス」についてです。
〜以下記事より抜粋〜
B型肝炎ウイルスは肝障害を引き起こす感染症であるB型肝炎の原因となるウイルスです。
現在、西太平洋地域やアフリカ地域で感染率が高いですが、その他の地域でもみられます。B型肝炎ウイルスは、身体の外でも少なくとも1週間程度感染力を持っていると言われています。
この期間、予防接種を受けていない人の身体にB型肝炎ウイルスが侵入すると感染してしまうことがあります。
そこで重要視されるものがワクチンです。今回は、B型肝炎とそのワクチンについてご紹介します。
B型肝炎ウイルスの潜伏期間は1〜6ヶ月と幅があります。
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスにより起こる感染症で、肝臓に致命的なダメージを与える可能性があります。
急性肝疾患と慢性肝疾患を引き起こし、肝硬変や肝がんによる死亡リスクを高めると言われています。
B型肝炎ウイルスは感染力が強く、感染者の血液、汗、涙、唾液等の体液に接触する、感染者からの輸血、汚染された医療器具の使用などにより感染してしまいます。成人では性行為による体液感染がもっとも多いと言われています。
成人で初めてB型肝炎ウイルスに感染した場合では、その多くは一過性で自覚症状がないまま治癒するといわれていますが、20~30%は急性肝炎を発症し、まれに慢性化することもあります。
そんなB型肝炎ウイルスの感染を予防するためには、B型肝炎ワクチンの接種が有効とされています。
予防効果は95%と高く、人に起こるガンに対する初めての予防ワクチンです。
B型肝炎ワクチンの場合、副作用は少ないですが、長期間免疫を維持するために複数回の接種が必要と言われています。
通常、3回のワクチン接種により高い予防効果が期待できます。
ワクチン接種のスケジュールと費用
B型肝炎ワクチンは3回の接種で完了します。
通常の接種スケジュールは、4週間の間隔で2回接種します。
そしてさらに20~24週間経過後に1回接種します。
B型肝炎ワクチンの接種費用は、平成28年4月1日生まれ~1歳の誕生日までの人は公費での接種が可能です。
その対象者以外は自費での接種になります。
ワクチンの効果と副作用
効果
B型肝炎ワクチンを接種することにより、体内にB型肝炎ウイルスへの免疫ができます。
この免疫ができることで、一過性の肝炎を予防するだけでなく、キャリアになることも予防することができ、周囲への感染も防ぐことができます。
B型肝炎予防としても抗体価の測定は3回の接種が終了して1〜2ヶ月後に行います。
決められた接種回数、接種時期を守ることで、さらなる予防持続期間が期待できます。
B型肝炎ワクチンは、若い人ほど抗体獲得率が高い傾向にあります。
ワクチンを3回接種した後の予防効果は20年以上継続されると考えられています。
副作用
報告されている主な副作用としては、下記が挙げられます。
・発熱
・発疹
・痒み
・腫脹
・硬結
・局所の疼痛
・吐き気
・食欲不振
・頭痛
・下痢
・発赤
・関節痛
・倦怠感
・筋肉痛
・手の脱力感
しかし、どの症状も数日で回復が見込めます。
極めてまれに「アナフィラキシー」「急性散在性脳脊髄炎」などの重篤な副作用があるという報告もあります。
また、他にも多発性硬化症などいくつかの副作用報告もありますが、どれも科学的根拠は否定されています。
ワクチンの成分である酵母に対するアレルギー反応を持つ人は「HBIG(B型肝炎免疫グロブリン)」を選択することもできますが、予防効果は短くなると言われています。
ワクチン接種後の過ごし方
ワクチン接種後の過ごし方としては、接種後30分程度は医療機関で様子をみるか、医師とすぐに連絡がとれるようにしておくことが大切です。
ワクチン接種後は下記のことに注意して過ごしましょう。
接種当日の激しい運動は控える
入浴時も接触部位はこすらないようにする
接触部位を清潔に保つ
接種後1週間は副作用に注意する
接種部位の異常反応や体調に変化がある場合は、速やかに医師の診察を受ける
B型肝炎ワクチン接種後に違うワクチンを接種する場合は、6日以上空ける