出産前に、便秘を解消したい!
お医者さんに、臨月でもできる便秘解消法を聞きました。
「陣痛」と「便秘の腹痛」の違いについても解説します。
監修医
医療法人 小田原博信会 久野銀座クリニック
院長
岡村信良 先生
便秘は出産前の兆候ってホント?
「臨月に入り便秘になった」経験をしている妊婦さんは多いです。
臨月に便秘になりやすい6つの原因
① お腹がどんどん大きくなるため
臨月になるとお腹が大きくなり、臓器が圧迫されやすくなります。
腸は特に圧迫されやすいため、物理的に便が腸を通過しにくくなり便秘を起こすと考えられています。
② 子宮が増大するため
子宮が増大することで、腸の動きが低下するため便秘を起こしやすくなります。
③ 胎児がおりてくるため
出産に向けて胎児が下がってくるため、さらに腸を圧迫し、便秘を起こしやすくします。
④ 女性ホルモンの影響
妊娠後期は黄体ホルモンの分泌が活発になり、体の中に水分を溜め込むようになるため、便の水分を奪い便秘を起こします。
また黄体ホルモンには、自律神経を乱す作用があるため、便秘を起こす場合もあります。
⑤ ストレスや疲労
臨月になり出産間近になると、不安等によるストレスや睡眠不足等による疲労が溜まりやすくなり、自立神経が乱れて便秘を起こす場合があります。
⑥ 運動不足
お腹が大きくなるため動きが減り、運動不足になることで、便秘が起こりやすくなります。
「ストレッチ」で便秘解消しよう!
腹筋・背筋内側のインナーマッスルを鍛えるストレッチ
- 四つん這いになる。
- 息を吐きながら背骨を丸くしておへそを覗く。
- 息を吸いながら背骨を反らせる。
ゆっくりとした呼吸に合わせて、繰り返し行ってください。
太もも・股関節の柔軟性を向上させるストレッチ
- 両足の裏を合わせて膝をひらいて座る
- かかとを体に引き寄せ足首をもつ。
- 息を吐きながら足の付け根から体を前方にゆっくり倒す。
- 1分程度、体勢を維持し、息を吸いながら体を起こす。
リンパ節に刺激を与えるストレッチ
- 四つん這いの体勢から右足を前に出す。
- かかとの上に膝がくるように、右足を垂直に曲げる。
- 膝に両手をのせて上体を起こす。
- 両手を上に向かって伸ばしながら上体を後方へ反らす。※約30秒間維持
左右の足を入れ替えながら繰り返し行ってください。
「食事」で便秘解消しよう!
以下の3ポイントを意識してください。
「食物繊維」を豊富に含むものを摂る
(例)雑穀類、豆、根菜類(ごぼう、さつまいも、大根等)、かぼちゃ、きゃべつ、わかめ、昆布、海藻類、きのこ類等
善玉菌を増やすために「オリゴ糖」を摂る
(例)玉ねぎ、きな粉、あずき、ごぼう、いんげん等
腸内環境を整えるために「乳酸菌」を摂る
(例)チーズ、ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌、漬物等
※食べ過ぎには注意してください。
「ツボ押し」で便秘解消しよう!
- 合谷:お腹の機能を調整する効能が期待できる。(写真)
- 神門:ストレス緩和作用が期待できる。
- 湧泉:自立神経を調節する作用が期待できる。
- 大腸愈:お腹の機能を補助する作用が期待できる。
ツボ押しを行う際は、強く押さずにゆっくり息を吐きながら行うようにしてください。
- 「生活習慣」で便秘解消しよう!
- いきむのは大丈夫?
- 便秘薬は飲んでも大丈夫?
- 便秘の「腹痛」の対処法
- 「陣痛」と「便意」の違い
記事は、健康検定協会から提供されています。