全く寝られない夜は、どう過ごしたらいい?
不安や胎動、頻尿や息苦しさなど、原因別の「臨月の不眠」の対処法をお医者さんが解説します。
監修者
医療法人 小田原博信会 久野銀座クリニック
看護師
細野理恵
① 子宮の増大
子宮が増大するため、心臓・胃・肺を圧迫して、動悸や疲労感を感じやすくなると考えられています。
また血管も圧迫されて血流が滞りやすくなるため息苦しくなり睡眠を妨げます。
② 胎動の痛み
臨月に入ると、お腹の中の胎児が大きくなってきます。
痛みを感じるほどの胎動が睡眠中に起こると目が覚めてしまい、再び寝ようとしても眠れなくなるケースも多いようです。
③ お腹が大きくなる
お腹が大きくなり、子宮底もみぞおち下辺りまでくるため、寝返りができず、眠る態勢がとりにくくなります。
④ ホルモンの影響
臨月になると、ホルモン「プロゲステロン」と「エストロゲン」の分泌量が増加します。
プロゲステロンの分泌量が増加すると、精神不安定や不快な症状を引き起こしやすくなると考えられています。
エストロゲンの分泌量が増加すると、基礎体温が低下する傾向になると考えられています。
これらが原因で、眠りに悪影響を与える場合があります。
⑤ 足がつりやすい(こむら返り)
お腹が大きくなると、体のバランスの維持が困難になったり、血流が悪くなったりすることで、足がつりやすくなります。
寝ているときに足をつる場合もあり、眠りの妨げになります。
⑥ 血液量の増加
胎児に栄養や酸素を運ぶ、出産時の出血に備える等のために、妊娠中は血液量が通常の約1.5倍に増加します。
大量の血液を体中に届けるため心拍数が上昇し、動悸や息切れを起こしやすくなり、眠りに悪影響を及ぼす場合があります。
⑦ 妊娠うつ
ホルモンバランスの変化や体調不良、日々変わる自分の体に対する不安、お産自体に対する不安、行動制限によるストレス等により、「妊娠うつ」を起こす場合があります。
これは、睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。
眠るためにできる5つの対策
① お風呂に入る
入浴して体温を上げると、スムーズに眠りにつける体温まで下がりやすくなり、入眠しやすくなると考えられています。
就寝の3時間前には入浴を済ませましょう。
② 体を温める作用を持つものを食べる
根菜類、しょうが、ホットミルク等、体を温める作用が期待できる食べ物を食事に取り入れてみましょう。
③ 日中に体を動かす
ウォーキング、ストレッチ等、軽めの運動を行うと入眠しやすくなると考えられています。
④ 寝る前にリラックスできる環境をつくる
ぬるめのお湯にのんびり浸かる、好きな音楽を聴く、好きな香りのアロマオイルを使う、などなど・・・。
自分がリラックスできる環境を作ると不眠を解消しやすくなるようです。
⑤ ゆっくりツボを刺激する
- 労宮:手のひら中央部から少し親指側にあるツボ。気持ちを落ち着ける作用が期待できる。
- 安眠:耳後方の骨が出ている部分から指一本分の場所にあるツボ。深い眠りが期待できる。
眠れない夜の過ごし方
睡眠不足が続くと、眠らなければと焦りが生じますが、それがストレスとなり、緊張状態を引き起こし、さらに眠れなくなる場合があります。
寝るに越したことはありませんが、あまり考え過ぎず、妊娠中は誰でも起こると受け止めて、頑張り過ぎないようにしてください。
眠れなくてイライラ・・・ナゼ?
すると、急にイライラして眠れなくなる場合があります。
イライラ対策
また、ストレッチ等で軽く体を動かすと気分転換になります。
- ケース1.「息苦しくて」眠れない!
- ケース2.「不安」で眠れない!
- ケース3.「胎動が痛くて」眠れない!
- ケース4.「頻尿」で眠れない!
記事は、健康検定協会から提供されています。