熱を下げる方法について、医師が詳しく解説します。
「すぐに熱を下げるには、どんな薬を選べば良いの?」「どこを冷やせば熱が下がるの?」
こういった疑問にお答えします。
大事な予定があってどうしても休めない!という方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
岡村クリニック
院長
岡村 長門先生
埼玉医科大学
公立昭和病院
岡村医院
岡村クリニック
すぐに熱を下げたいときおすすめの方法
薬で熱を下げる
解熱剤・鎮痛剤は、一時的に熱を下げ、体を楽にすることはできます。
すぐに熱を下げたい場合、風邪薬に解熱剤が入っていれば、そちらを使用していただいても構いません。
しかし、熱に関して対処するのであれば、解熱鎮痛剤を使います。
風邪のひき始めなら漢方薬
風邪のひき始めであれば葛根湯(カッコントウ)がおすすめです。
生姜やクズの根配合で、体を温めて早く熱をさげる作用が期待できます。
解熱剤と葛根湯の併用は?
成分によっては重複して思わぬ副作用が生じることがあります。
薬剤師、登録販売者に相談をしましょう。
おでこは間違い?早く熱を下げたいときに冷やす場所
熱を下げたいときの冷やす場所としては、首・鼠径部・ワキの下などがお勧めです。
血流が多い部分を冷やすと早く熱は下がります。
また、冷却シートは、熱を下げるというよりも、頭を冷やすことで気持ちが良くなり、すっきりして気分が落ちつくという働きが期待できるものです。
食べ物&飲み物で熱を下げる
- 温かい飲み物…ココアや生姜湯、チャイ 等
- 温かい食べ物…加熱したトマト、にんにく 等
- 冬が旬の野菜や果物…かぼちゃ、かぶ、りんご、ブドウ 等
また、いちごやスイカは、薬膳の世界では熱冷ましとしての働きもあるようです。
薬のようにはいきませんが、水分補給ができるので体が楽になるでしょう。
お風呂で汗をかくのは?
しかし、熱が上がりきった後に汗が出始めているのであれば、入浴や岩盤浴などで発汗を促すことで解熱効果が期待できます。
その際は、水分が急激に失われるので十分に水分補給をしてください。
ツボ押し
首の後ろ側にある、髪の生え際あたりに位置する左右二つのツボ「風池」 は、熱っぽい・咳などの症状を和らげる働きがあると言われています。
熱は下げるべき?下げないべき?
熱が出る理由
発熱は、体の中にウイルスや細菌などの異物が侵入してきたのを倒そうとする免疫反応で起こります。
そのため、熱が上がり切るまではウイルスや細菌も大量に増殖しているので、体は辛い症状を多く感じます。
熱が下がる頃には、ウイルスたちを押さえ込み、体調が徐々に快方に向かい始めます。
熱は無理に下げない方が良い
発熱しているということは、何らかの異物と体が戦っている状態です。
無理に下げれば、逆に異物が優勢となり、体調悪化・症状悪化につながる可能性もあります。
一般的な発熱であまりに熱が高い場合(40度以上)は、体を楽にさせ、脳症や合併症を避けるため、ロキソニンなどの鎮痛剤を使用します。
それ以下の熱の場合は、自然に任せておくのが本来は良いのです。
※インフルエンザの場合は使用できない鎮痛剤もあるので注意が必要です。
熱の症状を悪化させる行動
ウイルスや細菌が進入すると、熱を上げて退治しようとします。
体温が上昇すると血液や他の部位も一緒に熱を作ろうと、体熱の放散を減少させ、体全体の熱産生を増やそうとします。
その際、皮膚の血流を少なくしたり、筋肉を震わせて熱を作ったりします。
血流が少なくなれば、寒気を感じますし、筋肉が震えれば鳥肌がたちます。
つまり、体で熱を作るために寒気を感じます。
寒気を感じたらとにかく温める
寒気を感じたら体を温めましょう。
熱が上がりきって熱く感じるようになったら、衣類を脱ぎ体温を調節してください。
熱が下がっても数日は安静にするのが理想
熱が下がっただけでは、まだ体は本調子ではありません。
熱が下がった後、栄養を摂って快方に向かいます。
免疫力をつけるためにも、抗酸化作用のあるビタミンC、体力をつけるためにたんぱく源などを中心に、スタミナ補給を行いましょう。
- ビタミンC…緑黄色野菜、果物 等
- タンパク源…卵、豆腐 等
ただ、風邪のときは胃腸も弱っていることがあるので、消化をよくするためにも、加熱して柔らかく煮込んだものが良いです。
また、熱が下がって急に動くと、体力が落ちている体はすぐに疲れてしまい、症状をぶり返す原因になります。