「お酒を飲みすぎて気持ち悪い…」
「水を飲んでも吐いてしまう…」
お酒が好きな方なら、このような二日酔いの経験をお持ちの方も多いと思います。
お酒をたくさん飲みすぎて吐く行為は、果たして正解なのでしょうか?
この記事では、二日酔いと吐き気について、医師が詳しく解説します。
また、気持ち悪いときに楽に吐く方法や、病院に行くべき危険な症状もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
監修者

岡村クリニック
院長
岡村 長門先生
埼玉医科大学
公立昭和病院
岡村医院
岡村クリニック
二日酔いで吐いてしまう理由
また、大量のアルコールの刺激により胃腸が弱っている状態で食事を摂ると、食物を受け付けずに嘔吐してしまいます。
胃液しか出ないのに吐き気が治まらないのはなぜ?
アルコールによって体の機能が正常に働かなくなっていることに加え、体内のアルコールを外に出そうとして吐き気が続いているという要因もあります。
大量のアルコール摂取でおかしくなっている身体の働きは、一定時間おかないとおさまりません。
そのため、吐くものが胃液しかないのに吐き続けます。
二日酔いで吐くのは正解?
我慢せずに吐いた方が良い!
身体が吐きたいというシグナルを出しているときは我慢せずに吐きましょう。
二日酔いのときの胃腸は消化できる状態ではないので、胃の中の食物を吐けばその分楽になります。
ただ、嘔吐は胃や食道などに負担をかけます。
強制的に吐くというのは避けましょう。
楽に吐く方法
身体の準備が整うと唾液の分泌が多くなり、これから食物と一緒に出てくる胃液や胆汁から食道や口の中を守ります。
吐きたいときは、この状態を誘発するように水分を摂って胃に刺激を与えると良いでしょう。
指を入れて無理やり吐くのは、胃液や胆汁で食道・口などを傷つける原因になるのでやめましょう。
吐き気が止まらないときの治し方
まずは楽な姿勢をとりましょう。
嫌な匂いや空気のこもった場所で嘔吐していると、その匂いで嘔吐を誘発しますので、風通しの良い場所で衣類を緩めて休んでください。
水を飲んでも吐いてしまう場合
1~2時間程度時間をあけて、嘔吐がおさまってから少量ずつ(スプーン1杯程度)水分を摂ってみましょう。
時間をおいても嘔吐が止まらない場合は、体から水分がどんどん失われ、脱水症状となる場合があります。
吐くために大量の水を飲むのはNG!
水分を摂ることは体内のアルコール濃度を薄めるためには良いことです。
しかし、胃の中のものを出そうと、大量の水を飲むのは消化管を傷つける恐れがあるのでやめましょう。
止まらない吐き気には薬の使用もOK
嘔吐が止まらない場合は、吐き止めの薬を使用しましょう。
一度吐いて、30分くらい嘔吐がないものの、それでも吐き気が続く場合は服用すると良いです。
吐き止めの薬は市販薬でもありますし、病院でも処方してもらえます。
血や緑色の胃液が出た…!
血を吐いてしまった場合
嘔吐の刺激で粘膜が傷つき、少量の血が混ざる場合もあります。
しかし、大量の鮮血が出た場合は、早急に病院を受診してください。
嘔吐による腹圧が原因で、胃と食道の間が裂けて出血するマロリー・ワイス症候群を発症している可能性があります。
専門医(消化器科)による治療が必要です。
苦い・緑色の胃液が出た場合
胃や十二指腸で酸化された胆汁の色です。
数時間で徐々に体調が戻っていけば問題ありません。
しかし、嘔吐が続く際は、吐き気止めの使用や病院受診(内科、胃腸内科)を検討してください。