副鼻腔炎を発症すると、発熱に伴い、粘り気のある黄色の鼻水や頬の痛みなど、不快な症状があらわれます。
この記事では、副鼻腔炎で熱が出る理由や対処法をはじめ、すぐに病院に行くべき症状など、医師が詳しく解説します。
熱が上がったり下がったりと、なぜ症状を繰り返してしまうのかもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
監修者
荒牧内科
院長
荒牧 竜太郎先生
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
副鼻腔炎で熱が出る理由
副鼻腔とは、鼻の内腔につながる顔の骨の中にある空洞で、ここに鼻水や粘液が詰まって不快な症状を起こします。
主な症状には、鼻づまり・鼻水・匂いを感じなくなる・副鼻腔内にも炎症が広がり頭痛、頬や目の奥などに痛みを感じるなど様々です。
人によっては歯が痛くなるという人もいます。
ウイルス・細菌感染による急性副鼻腔炎で発熱
初めは主に風邪などのウイルス・細菌感染で発症するので、発熱を伴うことがあります。
これは急性副鼻腔炎と呼ばれます。
慢性副鼻腔炎では発熱は見られない
また、発熱はなく、鼻づまり・倦怠感・匂いがよくわからないという症状が数ヶ月以上続く、慢性副鼻腔炎も存在します。
急性副鼻腔炎のせいで、副鼻腔から鼻の入り口に通じる空気孔の部分が炎症で塞がり、中に膿が溜まって発症します。
熱が上がったり下がったり…繰り返してしまう理由は?
急性副鼻腔炎は、ウイルスや細菌による急性の炎症です。
通常軽症であれば、安静にしていれば、数日間で徐々に快方に向かいます。
しかし、それはまだウイルスや細菌が体内にいる状態です。
熱が上がったり下がったりするのは、一度減少させたウイルスたちが、安静にしていなかったことで再び活性化するのが原因です。
安静にしていないと発熱を繰り返す原因に
熱が下がってすぐに運動をしたり、日中動き回ったりしていると、体は疲れて免疫が落ちます。
ストレスを受けることも免疫の低下に繋がります。
そうすると、再度ウイルスたちが勢いを増し、また夕方ごろから発熱します。
また、まだ弱っている体が原因となったもの以外のウイルスに重ねて感染し、同じような症状を発症することもあります。
副鼻腔炎による熱を下げる方法
薬の服用で熱を下げる
市販の風邪薬や副鼻腔炎用の薬
他に目立った症状はなく、鼻づまり感や鼻のつまりによる不快感が続いている慢性副鼻腔炎の場合は、チクナインなどの慢性副鼻腔炎用(蓄膿症) の市販薬を使用しましょう。
念の為、薬剤師や登録販売者に症状を伝え、相談することをお勧めします。
総合風邪薬と解熱剤の併用は避けて
感冒薬を服用していて熱を下げる成分が入っている場合は、鎮痛剤を使用する必要はありません。
成分が異なれば飲んでも大丈夫なものもありますが、子どもや高齢者など、免疫力が低い人は薬の服用には十分注意を払う必要があります。自己判断で薬を増やすことはやめましょう。
また、使用の際は念のため、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
すぐに病院に行くべき症状
38度以上の高熱
生後3ヶ月未満は、38度以上発熱がある場合、それ以上の年齢でも高熱があり、症状がひどい場合は必ず病院を受診しましょう。
熱が高くなくても、呼吸困難や意識障害が見られる場合は病院を受診、もしくは救急車を呼びましょう。
症状が1か月以上続く・または繰り返している
副鼻腔炎の症状が1ヶ月以上続いているときは、早めの受診をお勧めします。
慢性副鼻腔炎の他にもアレルギー性鼻炎、または風邪などの合併の可能性がある場合は、原因を特定して症状にあった治療を受ける必要があります。
受診するのは内科?耳鼻科?
耳鼻咽喉科を受診しましょう。