「風邪で声が出ない…。」
こんなとき、何か即効性のある対処法はあるのでしょうか?
この記事では、風邪で声が出ないときの対処法として、薬や食べ物・飲み物など、医師に詳しく解説していただきました。
病院に行く際の判断基準もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
監修者

荒牧内科
院長
荒牧 竜太郎先生
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
風邪で声が出ないときの対処法
のどに作用する市販薬で改善
忙しくて医療機関を受診できない場合、市販薬でセルフケアする方法もあります。
トラネキサム酸配合薬
体内で起きている炎症に関係しているプラスミンという物質の機能を抑制し、のどの痛み、炎症を緩和する効能が期待できます。
アセトアミノフェン配合薬
比較的副作用が少ないため、子どもにも使用されるケースが多い成分で、疼痛などの症状を緩和させる効果が期待できます。
総合風邪薬に含まれていることが多い成分です。
声が出ない事だけで、生活に支障がなければ、薬を飲まなくても良いです。声が出ず、のどがヒリヒリしているときに、アセトアミノフェン入りの薬を飲むと良いでしょう。
アズレンスルホン酸ナトリウムを配合している製品
うがい薬やトローチに使用されている成分で、抗炎症作用、痛み緩和作用が期待できます。
※他の服用薬と併せてうがい薬やトローチを使用する際は、成分が重なっていなければ大丈夫です。
念の為、購入の際は薬剤師、登録販売者に確認しましょう。
漢方薬もおすすめ
風邪で声が出ない場合には、下記の漢方薬がおすすめです。
- 桔梗湯(キキョウトウ)
のどの痛み、腫れなどの咽頭症状などがある場合 - 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)
のどのつかえ、しわがれ声等の緩和 - 麦門冬湯(バクモンドウトウ)
痰の切れにくい咳や気管支炎、気管支喘息等
のどに食べ物や飲み物
のどに刺激を与えない食べ物・飲み物
次の食べ物・飲み物がおすすめです。喉に潤いを与えたり、熱をとったり、スーッとさせたりと、症状を緩和させる働きも期待できます。
- はちみつ
- 大根
- しょうが
- 黒豆
- ごぼう
- 梨
上記に加えて、のどに負担を掛けずに食べられるお粥、うどん、茶碗蒸し、プリン、紅茶、緑茶、ココア等がおすすめです。
のど飴も活用する
殺菌作用が期待できる蜂蜜系のもの、ヒリヒリするときはメンソール、ハッカ系のものを活用すると良いです。
しかし、医薬品扱いになるのど飴の場合は、他の医薬品との併用時に注意が必要です。
医薬品コーナーに置いてあるのど飴を購入する際は、薬剤師に相談すると良いでしょう。
ツボ押し
- 天突
左右の鎖骨を結ぶ中心部のくぼみにあるツボ。 - 雲門
鎖骨下縁を肩関節方向に向けて指を移動していき止まるくぼみにあるツボ。鎖骨と肩の骨が合わさる部分にある。
ツボを押す際は、力を入れ過ぎず優しくゆっくり押すようにしてください。
3秒間押して、3秒間離すことを2セットほど行いましょう。
加湿してのどを潤す
のどの乾燥を防ぐためには、加湿することも有効です。
加湿器を使い、室内を60%ほどに潤すのが、衛生的でお勧めです。
風邪で声が出ない時に避けるべき行動
- のどに刺激を与えるものを摂らない
唐辛子、わさび、からし、酢、炭酸飲料、アルコール等は、のどに刺激を与えるので炎症が悪化する恐れがあります。 - タバコは吸わない
タバコの煙に含まれているタールが原因で、気管が刺激を受けて声帯に炎症を起こすと、のどに負担を掛けます。 - 大きな声を出さない
大きな声を出すことでのどに負担を掛けます。 - アルコールを控える
アルコール自体が免疫力を低下させる可能性があり、特にアルコール度数が高いものは、のどに刺激を与えて炎症を悪化させやすくします。
カフェインは摂っても良い?
コーヒーに含まれているカフェインは、交感神経を活性化して気管支を拡張する働きがあるといわれています。気管支が狭くなっている場合であれば、効果を期待することはできます。
ただ、薬ではないので、薬ほどの効果はありません。
しかし、風邪薬にもカフェインが含まれているケースが多いので、風邪薬を服用中の場合はコーヒーを控えてください。
風邪で声が出なくなる理由
- 上気道、気管支、咽頭、喉頭等に炎症が起きた場合
- のどの乾燥がひどい場合
- 咳やのどの痛みが長く続いている場合
扁桃腺炎や咽頭炎を発症している可能性も
扁桃腺炎や咽頭炎は、扁桃腺、咽頭にウイルスや細菌が感染し炎症を起こす疾患です。
炎症により声が出ない、声がかすれる、のどが痛い等の症状が出現します。
扁桃炎・咽頭炎と風邪を見分ける方法
両者とも症状はほぼ一緒で、のどの痛みに加え、耳の痛みや発熱が起こることがあります。
のどを観察することで扁桃・咽頭炎を確認します。
どのくらいの期間声が出なかったら病院へ行くべき?
通常の風邪の場合、4~5日程度で症状が改善されるケースが多いです。
のどの痛みが4~5日続く場合は早めに病院を受診しましょう。
また、声枯れだけでも、1週間以上経過しても声が出にくい等の症状が続く場合は、医療機関を受診してください。
受診するのは何科?
耳鼻咽喉科や内科を受診するケースが多いようです。