妊娠後期(妊娠8ヵ月(28週)〜10ヵ月(39週))の腹痛。
「もうすぐ赤ちゃんが生まれる?」
「早産が心配・・・」と不安になることもあります。
お医者さんが、妊娠後期の腹痛の対処法と、病院に行くべき「要注意の腹痛」について解説します。
監修者
石野医院
副院長
石野博嗣 先生
妊娠後期によくある腹痛の正体は?
下腹部や足の付け根に軽い痛み・違和感があるのが特徴です。
痛みの対処法
ただし、基本的に妊娠中の腹痛は、かかりつけの医療機関へ連絡し、指示に従ってください。
妊娠中の腹痛は、
- まず安静にすること
- かかりつけの医療機関へ連絡すること
この2つが必須です。
こんな痛みは「前駆陣痛」です
妊娠後期に入ると、陣痛の練習といわれる「前駆陣痛」を感じやすくなります。
初妊娠の場合は、妊娠中期から前駆陣痛を感じる人もいます。
痛みの具合はいつも一定ではなく、強く感じたり、弱く感じたりする場合もあります。
前駆陣痛は、本陣痛の予行練習のようなものです。数秒から数分でおさまってしまいます。
特に夜に感じる人が多いです。昼間動いているとあまり感じません。
※間隔が狭まり、痛みが増していく「本陣痛」とは異なります。
こんな腹痛には“要注意”!
キューっと収縮するような痛みが特徴です。
子宮収縮による早産の原因になります。
痛みの対処法
他にも、我慢できないような痛みには、
- 常位胎盤早期剥離(まだ必要な胎盤が剥がれてしまうこと)
- 子宮破裂
- 虫垂炎(盲腸)
などが影響していることがあります。
【ケース1】キリキリ腹痛
お腹の上の方であれば、「胃や食道が荒れている」可能性があります。
痛みの対処法
前駆陣痛の場合:
下腹部や足の付け根が数秒~数分が少し痛む場合は、前駆陣痛が考えられます。
安静にしていれば問題ありません。
胃や食道の痛みの場合:
胸焼けや逆流性食道炎は、妊婦の人が発症しやすい症状です。
酸味や香辛料が強いものなど胃酸を多くさせるものや、繊維質や脂っこいものなど消化の悪いものは避け、少量を何回かに分けて食べると良いでしょう。
また、規則正しい生活を送ることやストレスと溜めないことも大切です。
病院では食事療法とともに、適宜状態に合わせお薬を処方することもあります。
【ケース2】チクチク・生理痛みたい、つるような腹痛
チクチクと刺すような痛みが出たり、なくなったりします。
背中や腹部に生理痛のような痛みを感じます。
痛みは長く続きません。
痛みの対処法
安静にしておさまるようであれば問題ありません。
張ってつるような感じの場合は、お腹が柔らかく戻ればよいですが、固い状態がなくならない場合、痛みがおさまらない場合は一度病院を受診しましょう。
【ケース3】下痢を伴う下腹部痛
便が出るような痛みや、腸の痛みが特徴です。
痛みの対処法
下痢が続く場合は、自己判断で下剤を飲まないようにしましょう。
下痢が数回でおさまらず、1日中続き、改善が見られない場合は、内科や胃腸内科を受診しましょう。その際は、妊娠している旨も伝えてくださいね。
【ケース4】吐き気を伴う下腹部痛
痛みの対処法
また、脳貧血の場合も楽な姿勢をとり、落ち着くまでじっとしていましょう。
吐き気が一日中続くような場合は、まずかかりつけの産婦人科に連絡して指示を仰ぎましょう。
【ケース5】便秘を伴う下腹部痛
圧迫感がある痛みが特徴で、おならがたくさん出ることもあります。
痛みの対処法
【ケース6】下腹部に鈍痛
下腹部に押されるような痛み、腹部の張りを感じることがあります。
痛みがひどく出血を伴う場合は、早産などの可能性もあります。
痛みの対処法
【ケース7】腰痛を伴う腹痛
大きくなったお腹は、張りを感じやすく、体型の変わった体をささえている腰は腰痛を発症しやすくなっています。
痛みの対処法
ただし、腹痛と腰痛が徐々に重くなる場合は、陣痛の可能性もあります。