なんだか呼吸が苦しい。
動悸や息切れで眠れない…。
妊娠後期の息苦しさの代表的な5つの原因と、それぞれの対処法をお医者さんが解説します。
お腹の赤ちゃんへの影響や、ケース別(眠れない、パニック等)の対処法も紹介します。
監修医
石野医院
副院長
石野博嗣 先生
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長
原因1.貧血
貧血は、赤血球が不足している状態です。赤血球が不足すると全身に酸素が送られなくなって、だるい・倦怠感・息苦しさなどを感じるようになります。
対策
妊娠中に貧血となった場合は、食事からの鉄分摂取がすすめられます。鉄剤を処方してもらうこともできるので、かかりつけ医に相談してくださいね。
原因2.胃が圧迫されている
大きくなった赤ちゃんに圧迫され、胃の働きが低下します。
そのため、あまりたくさん食べられなくなる人や、食べると胃もたれや気持ち悪さを感じてしまう人、息苦しいと感じる人もいます。
対策
胃の痛みや胃液の逆流などがある場合は、治療が必要となる場合もあります。かかりつけ医に相談しましょう。
原因3.横隔膜の圧迫
胎児が成長するに従い、子宮もだんだんと大きくなり、横隔膜を圧迫して息をするのが苦しくなることがあります。
対策
原因4.ホルモンバランスの影響
妊娠中に分泌されているプロゲステロンの影響で、呼吸が増加し息苦しさを感じます。
ある程度は、「妊娠しているからだ」と考えてください。
対策
原因5.血液量の変化
妊娠後期は、今まで以上に血液量が増え、大量の血液を体中に送り出すために心臓に大きな負担がかかり、血圧が上がる、また息苦しくなる場合があります。
対策
出産や出産後に影響が出る「妊娠高血圧症候群」という病気があるので、血圧の状態を常に見ておくのは妊娠中とても重要です。
息苦しさに「どう対処すれば?」
一度、かかりつけの産院へ相談して下さい。
姿勢はどうすればいい?
体を動かしたり、焦ったりしては心や体に負担がかかります。落ち着いて深呼吸して、楽な姿勢をとってくださいね。
酸素スプレーを使っていい?
息苦しさは「赤ちゃんに影響がある?」
あまりに強い貧血の場合は、鉄剤を飲み、食事から鉄を取るようにしましょう。
重症貧血妊婦になると、最悪の場合赤ちゃんが死亡します。この状態は急激に進みます。妊娠したら貧血には十分注意しましょう。
病院を受診する目安
何度も息苦しさを感じる場合は、何らかの不調がある可能性があります。
もうすぐ出産ですので、体に何らかの違和感がある場合はかかりつけ医に相談し検査を受けましょう。