熱が上がったり下がったりを繰り返して、なかなか下がらない…。そんなとき、どうすればいいの?
お医者さんに、中耳炎の発熱に対する「正しい対処法」を聞きました。お風呂に入る際の注意点や、保育園・幼稚園内で気をつけることも必ず読んでくださいね。
監修医
瀬尾クリニック
院長
瀬尾達 先生
平成12年瀬尾クリニック開設し、院長、理事長。
京都大学医学部講師、兵庫医科大学講師、大阪歯科大学講師を兼任。京都大学医学部大学院修了。
中耳炎の熱が上がったり下がったりする理由
・日中動きすぎた
・せっかく減った細菌・ウイルスが再び増えた
・別の細菌・ウイルスに感染した
この3つが考えられます。
中耳炎の症状が落ち着いた直後の体は疲れやすい状態です。
少し体調がよくなったからといって日中動き回ると、疲れて夜になると熱が上がってしまうことがあります。せっかく減っていた細菌やウイルスがまた暴れ出すこともあります。
また、中耳炎になった後は、体の免疫が低下しています。
このときに外で遊ぶと、他の細菌やウイルスに感染してしまう可能性があります。
回復して体を動かせるようになると、じっとしていられない子どももたくさんいます。体調が全快するまでは、できるだけ安静にしているようにママ・パパは気をつけて見てあげましょう。
早く熱を下げる方法
熱が上がったり下がったりを繰り返している場合は、まだしっかりと病気がよくなっていません。安静にしている時間が足りないと考えられます。
温かい飲み物や消化の良い食べ物を食べさせ、絵本などを読ませて安静にしましょう。
眠れないからといって、テレビをみたり、ゲームをするのはやめましょう。脳が活性化して目覚めてしまい、よけい眠れなくなります。
まだ話してもわからない年齢の子どもには、付き添っているママやパパが落ち着いた環境を作る必要があります。
室温を調整して、バタバタと動き回らずに子どもとゆっくり過ごしましょう。
痛みのお薬について
重い副作用のため、子どもにはアスピリンの使用ができないことになっています。そのため、子ども用鎮痛薬にはアスピリンが含まれていないものがほとんどです。
大人用の鎮痛薬を減らして飲ませるなど、自己判断は控えた方がよいです。
保育園・学校における注意点
朝起きた時に耳の痛みがなくなり熱も下がると、「元気になった」と思い、保育園や学校に登園させてしまうことがあります。登園・登校は、子どもの発熱が落ち着いてからにしましょう。
登園・登校で気をつける3つのこと
- 処方薬があれば、忘れずに飲ませましょう。
- 熱が下がってから1週間程度は、体育や運動は避けましょう。
- 放課後はまっすぐ家に帰宅して、ゆっくり過ごしましょう。
お風呂に入ってもいい?ダメ?
お風呂には入ってもいいですか?
ただし、こんなときは入浴NG!
・ふらつきがある
・耳の痛みが強い
などの場合は、無理して入浴しないようにしましょう。
熱が長引くと…こんなリスクが!
また、子どもの中耳炎が悪化すると、乳様突起炎や内耳炎などの原因となる場合もあります。
「中耳炎なんて、よくあること」と放置せずに、耳鼻いんこう科を受診しましょう。