なぜ?赤ちゃんの下痢が治らない原因は?
元気な場合は問題ない?
「正しい対処法」と、「注意するべき下痢」についてお医者さんが紹介します。
監修医
高座渋谷つばさクリニック
院長
武井智昭 先生
赤ちゃんの下痢は長引きやすい?
体全体が未発達で、腸の働きが落ちやすいことが原因です。
赤ちゃんによっては、体調が悪くなるとすぐお腹がゆるくなる体質の子もいます。
病気かも?赤ちゃんの下痢が治らない原因
原因1.風邪(体調不良)が続いている
風邪や体調が悪い時は、腸の動きが悪くなり下痢をしてしまうことがあります。
体調が戻れば徐々に下痢も良くなります。
下痢の特徴
ドロドロで酸っぱいような臭いの便が出ることがあります。
水っぽい下痢が続くこともあります。
対処法
いろいろなものが食べられる月齢の赤ちゃんには、消化の良いおかゆやうどんなどを食べさせます。食欲がない時は母乳やミルク、経口補水液などで水分補給をしましょう。
野菜は繊維が多く消化に時間がかかります。下痢が長引く原因になるので避けましょう。
原因2.ウイルス感染
ノロウイルスやロタウイルスなどに感染すると、胃腸炎を起こして下痢や嘔吐をします。食べたものや飲んだものを大量に吐き戻し、下痢が始まります。
下痢の特徴
水のような下痢が大量に出ます。
ロタウイルスに感染すると、白っぽい便になることがあります。
対処法
吐き気がなくなった後は、食欲がなくても脱水を避けるため、母乳やミルク、経口補水液、水などで水分補給しましょう。
<すぐに病院を受診するべき症状>
- 嘔吐が止まらない
- 下痢が続く
- ぐったりしてきた
- 意識が薄い
- 意識がない
原因3.体が冷えている
体が冷えてしまうと、下痢を起こすことがあります。
下痢の特徴
急に下痢が始まります。
水下痢や、場合によっては酸っぱいようなにおいの便が出ます。
対処法
下痢をしている間の離乳食は、おかゆやうどんなど消化の良いものを与えます。
体が温まれば比較的元気で食欲もある場合が多いでしょう。
“要注意下痢”の見分け方
出血が何度も確認できた場合は、便を持って病院を受診しましょう。
嘔吐を伴う場合は、「細菌性腸炎」や「腸重積」などの病気も考えられます。
「細菌性腸炎」とは
腹痛・下痢が主な症状です。
嘔吐を繰り返すこともあります。また、発熱、痙攣をおこすこともあります。
「腸重積」とは
小腸が大腸の中にはまり込む病気です。
イチゴゼリー状の血便が出たり、嘔吐するときもあります。
母乳が原因なの?
ただし、なかには「乳糖不耐性」という症状がでる赤ちゃんもいます。母乳やミルクで下痢をしてしまい栄養吸収が悪くなる症状です。
この病気は、牛乳や乳製品を飲んだときにわかるので、1歳ごろわかることが多いです。この場合は、乳糖不耐性用のミルクに変更すれば下痢も良くなります。
離乳食を続けても大丈夫?
離乳食を続けてもいい場合
元気があって下痢だけをしている場合は、一時的な消化不良であると考えられます。
柔らかくて油分の少ないものや、おかゆだけを与え、様子をみましょう。
離乳食をお休みする場合
- 元気がない
- ぐったりしている
などの状態で下痢をしていれば、病気が原因のこともあります。離乳食はお休みして病院の受診が必要です。
市販薬について
赤ちゃんの場合は急変することもあります。
下痢は消化できないものやウイルスを外に排出している状態です。基本的に、下痢を無理に止める必要はありません。
※ぐったりしてきたり、元気がなくなってきたりした場合は、医師の判断で下痢止めを使うこともあります。
病院の受診目安
白っぽい下痢の場合は、ウイルス感染が疑われます。2~3日以上続く場合には、こちらも病院を受診しましょう。