お腹がぐるぐる・ギュルギュルと大きく鳴って、恥ずかしい思いをしたことはないですか?
さらに、お腹のぐるぐる音に伴い、腹痛や下痢、吐き気が生じる場合も…。
この記事では、お腹の音をはじめ、突然くるお腹の不調の原因を医師が解説します。
隠れた病気の可能性についてもお伝えしますので、心配な方はぜひ参考にしてください。
監修者

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
お腹がぐるぐる鳴る原因
特に空腹時は、消化管の蠕動運動が強くなります。
蠕動運動が強まったことにより生じた狭い管腔を、空気、胃液、腸液が通るためにお腹が鳴ると考えられます。
これらの現象は、胃腸の働きを調整している「モチリン」(十二指腸から分泌されるホルモン)の血中濃度が上昇することで、胃が収縮するためと考えられています。
健康時のぐるぐる音
空腹時
空腹時収縮が起こると、胃内の水分、空気、食品の残りカス等が撹拌されて音が出る場合があります。
発泡性のある炭酸飲料や小麦を使った食品(パン、麺 等)はガスが発生しやすいとも言われています。
また、調理の過程で重曹を使ったものも、ガスが発生しやすいです。
さらに、空気と食べた物が混合したものが小腸を通過する際にも音が出る場合もあります。
食後
食後の胃は、食べた物を消化するためにモゾモゾと動き続けます。
消化が行われて胃内が空の状態になると、次は強い収縮が起こり、お腹が鳴る場合があります。(食後期収縮)
妊娠中(妊娠初期)
腸内ガスの動きや脈動によるものと考えられています。
妊娠すると、血液循環が良好になるため、妊娠前よりも脈動を感じる場合が多いようです。
また、腸の蠕動運動が低下している場合、ガスを体外へと排泄できずに溜まってしまい、お腹が鳴るケースもあります。
牛乳やヨーグルトの摂取
牛乳やヨーグルトを摂取するとお腹がぐるぐる、ごろごろする場合、乳糖不耐の可能性があります。
乳糖不耐とは、乳糖を分解するラクターゼという酵素が減少し、機能が低下するため、乳糖が消化されない状態をいいます。
そのため、腸から吸収されずにガスが発生し、お腹が鳴ると考えられています。
乳糖不耐は、先天的なものと後天的なもの両者あります。
冷たい飲み物や刺激の強い香辛料
冷たい飲み物や刺激の強い香辛料を摂取した場合、腸に刺激が加わり活動が活性化されて、お腹が鳴る場合があります。
また、アルコールも腸に刺激を与え、お腹が鳴ることもありますが、どちらかというとアルコールの場合は、腸に刺激を与えすぎて下したり、ガス(おなら)が多くなったりします。
新生児のお腹がぐるぐる鳴る理由
赤ちゃんの腸内には、元々ガスが溜まりやすくなっています。
そこに母乳やミルクが入ってくると、それらを消化するために胃腸が活動を開始します。
すると、溜まっていたガスが動き出してお腹がグルグル鳴ると考えられています。
放っておいても大丈夫?
赤ちゃんが不機嫌であれば、軽くお腹周りをのの字を書くよう、やさしくマッサージしてあげるのも良いですね。
ミルクの際にゲップをしっかり出してあげるという予防法が良いでしょう。
お腹のぐるぐるを止める方法
お腹がぐるぐる鳴りやすい人は?
- 食べ物を良く噛まずに早く食べてしまう人(早食い)
- 脂質の多い食生活を送っている人
- アルコールを過剰に摂取している人
- 長時間座って作業する人(胃腸が圧迫されている状態が長く、体内の空気が滞りやすいため)
- 香辛料等の刺激物を好む人
- 運動不足の人
- 便秘の人
お腹の音を止める方法
食べて狭くなった管腔を拡張する
特に腹持ちが良い食品(脂質が多いものや食物繊維が多いもの)を食べると消化管の中に長く留まるため、管腔が狭くなりにくくなり、腹鳴を抑制できる場合があります。
お腹のマッサージ
手を握ってグーにして、おへそ周りに円を描くようにゆっくりマッサージしてください。
ガスを排泄するポーズ
①仰向け状態で寝転がり、両膝を抱える
②息を吐きながら両腕で胸の方に膝を寄せて上体を起こす
③太ももを下腹部に押し付けて、お尻を上げて5回ほど呼吸を行う
④体を戻して息を吸いもう一度繰り返す
体調不良のサイン?心配な症状
下痢や便秘を伴う
下痢や便秘を伴う場合、過敏性腸症候群の可能性が考えられます。
<通常の下痢、便秘と区別するポイント>
- ストレスが原因
- 腹部症状が現れる(下痢、便秘、お腹が鳴る、お腹が張る、腹痛、おならが多い等)
- 排便すると症状が軽減する
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記事は、健康検定協会から提供されています。