「みぞおちを押すと痛い…」
「原因はストレス?それとも病気?」
みぞおちを押すと痛みが出る症状について、医師詳しく解説します。
右側だけ痛い、しこりができている等、症状別に考えられる病気の可能性もお答えします。
みぞおちのあたりに不調を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
みぞおちを押すと痛いのはなぜ?
「みぞおちを押すと痛い」という症状は、胃が炎症を起こしているため、圧迫によって痛みが出る、または痛みが増していると考えられます。
みぞおちを押すと痛くなる原因
ストレス、温度変化等による自律神経の乱れ
過度のストレス(精神的ストレス)、室内外の温度差等による身体的ストレスが原因で自律神経の働きが乱れると、過剰分泌された胃酸が胃、十二指腸粘膜に傷を付ける場合があります。
その結果、みぞおち周辺に痛みが生じます。
暴飲暴食(食生活の乱れ)
食べ過ぎや飲み過ぎにより、胃腸に負担を掛けるとみぞおちに痛みが生じる場合があります。
刺激物の過剰摂取
香辛料、にんにく、炭酸飲料、コーヒー、アルコール、たばこ等の刺激物を過剰摂取すると、胃酸分泌を促進し、胃や十二指腸粘膜に傷を付けることでみぞおち周辺に痛みが生じる場合があります。
食あたり
食あたりや水あたりが原因で、みぞおちに激痛が起こる場合があります。
みぞおちを押すと痛い場合の対処法
みぞおちを暖める
また、片方の手をみぞおちに当て、もう片方の手を軽く握った状態でみぞおちに当てている手の甲部分を軽めに10回ほどトントンすると、痛みが治まる場合があります。
横向きで寝る
また、胃痛の原因が、胃に入った食べ物が負担となって起こっている場合は、右を下にして横になると改善されることがあります。
右を下にするのは、胃の内容物が円滑に腸へ流れるための姿勢です。
市販薬を使用して様子をみる
過度のストレスが原因で生じるみぞおちの痛みには、神経性胃炎に有効とされる市販薬を服用するケースが多いようです。
<神経性胃腸炎に作用する市販薬>
- 太田胃酸
- ガスター10
- ガストール 等
<暴飲暴食に用いられる市販薬>
- 第一三共胃腸薬
- 大正漢方胃腸薬
- 太田胃酸 等
病院に行くべき症状と病気の可能性
市販薬を使用しても症状に改善が見られない場合、みぞおちの痛みが続く場合、痛みがひどい場合は、他の病気が潜んでいる可能性もあるので、早めに医療機関を受診してください。
考えられる病気は次の通りです。
急性胆嚢炎
主に食後、右のみぞおちや右上部の肋骨周辺に痛みが生じる疾患です。
吐き気、嘔吐、発熱(高熱)、食欲不振等の症状が出現するケースや、黄疸、肝機能障害が起こるケースもあります。
また、炎症が悪化するにつれて背中や右肩等に痛みが広がり、その後呼吸をするだけで強い痛みが生じるようになります。
すい炎
みぞおち周辺に激しい痛みが生じるケースが多く、左のみぞおちから背中にかけて痛みが生じる場合があります。
吐き気、嘔吐、発熱等を伴ったりするケースもあります。
咳、深呼吸、運動等により、痛みが悪化する場合もあります。
胃がん
胃がん初期は自覚症状がない場合が多いようですが、症状が進行していくと、みぞおち周辺の痛み、吐き気、胸やけ、食欲不振、貧血、体重減少、胃の張り感等の症状があらわれます。