生理のとき、めまいや吐き気があらわれる場合は、貧血になっている可能性があります。
「食べ物で改善できる?」
「薬はやサプリはどんなものを選べば良い?」
このような疑問を、医師が解決します。
生理の度に貧血の症状が出てお困りの方は、ぜひ参考にしてくださいね。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
生理と貧血の関係
生理中に貧血の症状が起こる原因
貧血は、鉄分が不足することで体中に酸素を届ける働きを担うヘモグロビンが生成されにくくなり、酸欠状態になったときに起こります。(鉄欠乏性貧血)
特に女性は、生理による出血があるため、男性に比べて鉄欠乏性貧血を起こしやすいと考えられています。
貧血の症状チェック
貧血の症状は次の通りです。
- 顔面蒼白
- 動悸
- 息切れ
- 倦怠感(だるさ)
- 頭痛
- 肩こり
- めまい
- 吐き気
- 眠気
- 食欲低下
- 手足の冷え 等
生理前後に貧血になる理由
月経前症候群(PMS)
生理開始の14日程前から起こる様々な不調の原因です。
黄体ホルモン(体内の水分代謝や脳内神経伝達物質に影響を与える)の分泌量が増えるために、めまい、ふらつき、頭痛等、貧血と同じような症状が出現する場合があります。
月経困難症
月経困難症とは、生理痛がひどいため、生活に支障が出る状態です。
その症状の一つとして、貧血(フラフラする)を起こす場合があります。
産後は貧血になりやすい
子宮復古不全による貧血
出産では大量に血液が消失されますが、出産後、子宮の収縮が繰り返し行われることで止血が進み、数週間ほどで改善に向かいます。
しかし、子宮収縮がスムーズに行われないと出血量が増えてしまい、貧血を起こすケースがあります。(子宮復古不全)
授乳・産後の生理再開による貧血
授乳期には、母乳の分泌のために多くの鉄分を消費するため、鉄分不足を起こし、貧血傾向になると考えられています 。
産後は特に貧血になりやすく、さらに授乳でも鉄分を失いやすいため、貧血になる方もいます。
また、産後の生理再開により、一時貧血傾向になる場合もあります。
貧血で倒れてしまうのは「脳貧血」
フラフラして倒れやすい貧血としては、脳貧血が考えられます。
脳貧血とは、脳への血液供給量が不足することでめまい、立ちくらみを起こす状態です。
また、血圧が低いために血液循環が正常に行われない低血圧でも同じような症状が起こる場合があります。
生理による貧血の対策
食べ物で対策
食生活では、1日3食、バランスの良い食事で栄養補給を行い、次の食べ物を摂ると良いでしょう。
鉄分を豊富に含む食べ物
- レバー
- 肉類(赤身)
- あさり
- 海藻類
- かき
- 緑黄色野菜
- 大豆製品等
ヘモグロビン生成に欠かせない良質なタンパク質
- 肉類
- 魚類(いわし、カツオ等)
- 卵
- 牛乳
- 大豆製品等
鉄の吸収率をアップさせるビタミンC
- 果物(いちご)
- 緑黄色野菜(ブロッコリー、セロリ)等
胃酸分泌を高めて鉄分の吸収を促進するものを適度に
- 酢
- 梅干し
- 柑橘類等
血液を作るために必要なビタミンB6・B12と葉酸
- ビタミンB6
大豆、ほうれん草、バナナ等 - ビタミンB12
レバー、さば、チーズ、卵、貝類等 - 葉酸
緑黄色野菜、さつまいも、レバー、卵黄、乾燥果物等
薬やサプリメント
次の漢方薬は、貧血や胃腸の働きの改善が期待できます。
- 加味帰脾湯(カミキヒトウ)
- 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
- 六君子湯(リックンシトウ)
- 人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)
鉄分・ビタミンC・タンパク質のサプリを
毎日忙しくて食生活が不規則になりがちな場合は、サプリメントで栄養を補助するという方法もあります。
また、ビタミンCやタンパク質(プロテイン)は鉄の吸収をサポートするため、鉄分を効率良く摂ることができます。
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記事は、健康検定協会から提供されています。