「白い便が出た…もしかして病気?」
しかし、便のことは人にはなかなか聞きづらいはず…
そこでこの記事では、大人で白い便が出たときに考えられる原因を医師が詳しく解説します。
症状別に考えられる病気の可能性についてもお答えしますので、ぜひ参考にしてください。
監修者

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
白い便が出る原因
なぜ?大人の白い便の主な理由
大人の場合、主に次の理由で白い便が出る可能性があります。
暴飲暴食(消化不良)
暴飲暴食により、胆汁分泌が減少すると白い色の便が出る場合があります。
肝臓にダメージがある
風邪やお酒の飲み過ぎ、また暴飲暴食によって肝臓にダメージがあると、胆汁が作れなくなったり、通過が悪くなったりして、白色便となります。
ロタウイルス感染症
ロタウイルスは、0~2歳の子どもに多くみられる胃腸炎ですが、大人が感染する場合もあります。
主な症状は
- 吐き気
- 嘔吐
- 38度前後の発熱
- 腹痛
- 下痢
- 米のとぎ汁状の白色(灰白色)の便(下痢)
が挙げられます。
解熱、嘔吐が改善されても、下痢症状だけは継続される場合があります。
自然に治る?
ロタウイルスには特効薬がないため、補液等の対症療法が主な治療になります。
ロタウイルスの場合には、1週間ほどで自然治癒するケースが多いと考えられています。
暴飲暴食が原因の場合も、体調の改善に伴い自然治癒するケースが多いです。
重篤な病気の可能性も
白い便に胃痛を伴う場合
- 肝臓疾患(肝炎、肝がん)
- 胆のう疾患(胆嚢炎、胆石、腫瘍)
- 膵臓疾患(膵炎、膵臓がん)
- 腸炎等の場合
危険な白い便
白い便が出る重篤な病気について、それぞれ詳しく解説します。
胆管が詰まる(胆石症、胆道閉塞症)
胆汁は肝臓で生成された後、十二指腸に送られますが、この胆汁が通過する胆管が詰まることで白色の便が出る場合があります。
無症状のことも多いですが、次の症状があらわれる場合もあります。
- 胆石症
みぞおちあたりに痛みを感じます。 - 胆道閉鎖症
白目や皮膚が黄疸※になったり、尿が濃い黄色になったりします。
※黄疸…血液中の黄色い色素“ビリルビン”が増加し、白目や皮膚などが黄色くなる状態です。
A型急性肝炎
初期症状は、高熱(38度以上)、倦怠感、食欲低下、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐等です。
その後(約1週間後)、黄疸が出現し、白っぽい便や茶褐色の尿が出る場合があります。
B型急性肝炎
初期症状は、発熱、吐き気、嘔吐、食欲低下、倦怠感等です。
その後黄疸が出現し、白っぽい便や茶褐色の尿が出る場合があります。
発熱はA型ほど高熱ではないことが多いです。
慢性膵炎
膵臓に繰り返し炎症が起こる状態です。(膵臓細胞が破壊されてしまう)
主な症状は、みぞおちや背中の鈍い痛み、脂肪便(白い便、クリーム色の便)、体重減少等が挙げられます。
潰瘍性大腸炎
免疫機能異常が起こる要因は、発症する人によりそれぞれ異なりますが、生活習慣の乱れ、腸内細菌バランスの乱れ、ストレス等が挙げられます。
主な症状は、腸液と白血球が混ざりあったために生じる白っぽい便(白い粘液状)、血便、便の回数が増加する、腹痛、下痢等です。
記事は、健康検定協会から提供されています。