お酒を飲みすぎて翌日下痢になった…!なぜ?
原因をお医者さんに聞きました。
下痢が止まらない場合の対処法や、お酒を飲んでも下痢にならないための予防法もご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
監修者

平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
お酒を飲むと下痢になる理由
アルコールそのものが下痢を引き起こしやすい
摂取したアルコールは、胃と小腸で吸収されます。
しかし、アルコールはその吸収を補助する酵素の働きを阻害します。
すると、栄養分や水分の吸収が滞り、消化しきれていない食べ物が大腸に送り込まれます。
小腸粘膜にある酵素の機能が低下する
そのため、アルコールを過剰摂取すると小腸粘膜にある酵素の機能が低下して、脂肪、糖分、水分、ナトリウム等の吸収が阻害され、浸透圧性の下痢が起こる場合があります。
浸透圧性の下痢とは、腸からの水分吸収が阻害され、便が水分を必要以上に含んだまま排便されるため起こる下痢です。
胆汁生成機能が低下する
しかし、お酒を過剰摂取すると、肝臓がアルコール分解で手一杯になり、胆汁を生成する働きが低下してしまう場合があります。
その結果、摂取した脂肪分の消化が滞り、翌朝下痢を起こすと考えられています。
お酒と一緒に食べるものが原因
体内において、アルコール分解と脂質の消化を補助する働きは肝臓が大きく関与しています。
お酒のおつまみとして好まれる揚げ物など、高脂質なものを多く摂ると、消化しきれず下痢を起こしてしまう場合があります。
短時間に大量の水分を摂取した場合
短時間に2~3リットル以上の水分(お酒を含む)を摂取した場合、胃腸が拒絶反応を示して下痢が起こる場合があります。
お酒が弱いから下痢になるの?
しかし、お酒が弱いから下痢を起こすとは断言できません。
必要以上に水分を摂取してしまうと、水分の吸収がスムーズにできなくなり、下痢を起こす場合もあります。
なぜ?黒い便が出た…
特にお肉を食べたあとは黒っぽい色(黒褐色)になりやすいようです。
大腸内で悪玉菌が増加している場合、腸内がアルカリ性に傾くことで、黒っぽい便が出る場合もあります。
食道や胃の出血の可能性も
黒い便が出る場合、強いお酒を飲んだり多量に飲むことで、食道や胃から出血している可能性もあります。
他の病気が潜んでいる可能性があるので、病院を受診して検査を受けることをおすすめします。
お酒の飲みすぎで下痢をすると痩せる?
下痢を起こすと、体内水分が減少して体重が減少する場合がありますが、体脂肪が減少したわけではないため痩せるとはいえません。
下痢をした時の対処法
お酒が原因で下痢になった場合は、次の方法で対処しましょう。
市販薬で対処する
- 正露丸
腸の働きを正常な状態に戻す効能があるため、いろいろな原因で生じる下痢症状の緩和に有効と考えられています。 - ビオフェルミン
飲み過ぎ、食べ過ぎ等で起こる下痢に有効とされています。
これらの薬は、念のため、他の薬との併用は控えてください。
その他の対処法
次の対処法を試してみましょう。
- 安静にする
- 水分補給をこまめに行う(水、白湯、スポーツドリンク等がおすすめ)
- 胃腸に負担が掛からないように消化の良いものを食べる(うどん、おかゆ、野菜スープ等)
- ハーブティーを飲む(ジンジャーやミントは胃腸の不調改善が期待できる)
- 体を温める
- 乳酸菌を摂る
下痢にならない為の対策
お酒を飲んだあと下痢にならないために、飲んでいる最中は次のことに気を付けましょう。
- お酒を飲む際は、おつまみも一緒に食べる(卵、豆腐、枝豆、野菜、海藻等)
- お肉等の脂肪分が多い食べ物や糖分を多く含む食べ物を控える
- お酒だけを飲み続けるのではなく、お酒とお酒の間に水を飲むようにする
- 飲酒量を控える。
(例)日本酒1合、ビール(大瓶)1本/1日(どちらか1種類) - 短時間に多量のお酒を飲まない(ゆっくり飲むようにする)
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記事は、健康検定協会から提供されています。