全身にかゆみが生じているのは一体なぜ?
もしかしたらそれは、肝臓に原因があるのかも。
かゆみの原因や肝臓との関係性、かゆみを緩和させる対処法、受診すべき診療先などを医師に伺いました。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
全身のかゆみは肝臓に原因がある?
かゆみと肝臓の関係
肝臓には胆汁という消化液を生成し、分泌する働きがあります。
しかし、肝臓の働きが悪くなると、胆汁の流れが停滞し、血流に入っていきます。
この血液中に入ってしまった胆汁が、かゆみを引き起こしていると言われています。
肝臓が原因のかゆみの見分け方
乾燥やアレルギーによるかゆみは、ヒスタミンという物質が神経ではたらくことで、脳でかゆいという感覚が生じます。
肝臓によるかゆみは、オピオイドと呼ばれる別の物質が脳に直接刺激を与えるため、抗ヒスタミン薬では症状が抑えられません。
自分で治せる?
前述したように、肝臓が原因のかゆみは、一般のかゆみ止めは効きにくいと言われています。
そのため、自分で治すことは難しいです。
全身がかゆい場合の対処法
市販のかゆみ止めは抗ヒスタミン薬のものがほとんどのため、改善は難しいです。
日常生活の中で、かゆみが強くならないように心がけましょう。
かゆみを押さえるポイントを3つ紹介します。
ポイント1.お風呂はぬるめにする
熱いお風呂は皮膚を刺激し、かゆみの原因となるため、お風呂はぬるめのお湯につかることで、かゆみを抑えることができます。
また、乾燥もかゆみの原因となるため、お風呂上りはすぐに保湿剤を使用して、肌の乾燥を防ぐことが大切です。
ポイント2.汗はすぐに拭く・洗い流す
汗に含まれる成分もかゆみの原因になります。
汗をかいたらそのままにせず、すぐに拭いて洗い流すようにしましょう。
ポイント3.下着は綿素材のものを
下着や靴下など肌に直接触れるものは、化学繊維ではなく綿素材のものを使用しましょう。肌に触れる刺激を減らすことも効果的です。
すぐに病院に行くべき症状
かゆみの他に次の症状が現れた場合は、特に注意が必要です。
危険な症状
健康診断などで、肝臓機能の異常が指摘された場合は病院への受診が必要です。
また、肝臓の機能が低下すると、身体のかゆみ以外にも、血が止まりにくくなる、全身の倦怠感や、白目が黄色になる症状も出てきます。
病気の可能性
- 肝硬変
足のむくみや、お腹の張りがみられます。 - 肝がん
右のあばら骨のあたりに痛みがある場合は、肝炎が進行した肝がんの可能性もあります。
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記事は、健康検定協会から提供されています。