「ふと首のリンパを押してみたら痛い…」
「なんだか腫れている気がする…」
「しこりができているけど、もしかして病気?」
リンパを押すと痛い症状の原因をお医者さんに聞きました。
自分でできる対処法から、考えられる病気の可能性もご紹介します。
病院へ行く際は何科を受診すれば良いのかもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
監修者
荒牧内科
院長
荒牧 竜太郎先生
西田厚徳病院
平成10年 埼玉医科大学 卒業
平成10年 福岡大学病院 臨床研修
平成12年 福岡大学病院 呼吸器科入局
平成24年 荒牧内科開業
首のリンパを押すと痛いのはなぜ?
首のリンパを押すと痛い場合に考えられる原因は、次の通りです。
主な原因
リンパ節炎(風邪、インフルエンザ等の感染症)
風邪ウイルスや細菌に感染した場合等にリンパ節炎症が起こる状態です。
リンパ節の腫れ(リンパ節周辺も)、押すと痛い、倦怠感、発熱等の症状が現れます。
扁桃炎
扁桃部に炎症が生じる疾患です。
首のリンパの腫れ、扁桃が腫れる(痛みを伴う)、発熱(38度以上)、倦怠感、頭痛、関節痛等の症状が現れます。
リンパの腫れやしこりを伴う場合
リンパ節炎では、リンパ節やその周りが赤く腫脹する(痛みを伴う)等の症状が現れるケースがあります。
また、リンパ節において、リンパ球や白血球が外敵と闘った結果、しこりができるケースがあります。
自然治癒する?
しかし、なかなか改善されない場合や逆に大きくなる場合、その他の症状が出現している場合には、医療機関で早めに検査を受けてください。
自分でできる対処法
首のリンパを押すと痛い場合に、自宅でできる対処法をご紹介します。
市販薬
葛根湯は、炎症を鎮めて症状を改善する効能が期待できると考えられています。
しかし、リンパ節の腫れがみられる場合や細菌感染が疑われる場合は、医療機関を受診して、症状に適した薬を処方してもらうことをおすすめします。
冷やすor温める?
炎症を抑えて発熱を鎮めるためには、まずは冷やすことが有効と考えられています。
冷却シート等を使用して冷やす方法もありますが、肌が弱い場合には注意が必要です。
リンパマッサージはNG
腫れている部分を触ったり、無理に押したり等の刺激を与えると、逆に体調を悪化させる場合があります。
重篤な病気の可能性
化膿性リンパ節炎
怪我や傷口から細菌が侵入することが原因となります。
リンパ節内で、白血球の攻撃を打破した細菌が増殖を始めると、リンパ節の腫れが大きくなり、痛みや発熱を伴います。
伝染性単核球症
主にEBウイルス※による感染症です。
発熱、咽頭痛、首のリンパ節の腫れ、倦怠感、肝障害等の症状が現れる場合があります。
※EBウイルス
感染すると無症状、または風邪のような症状が起こる、多くの人が成人までに感染するウイルスです。
膠原病
自己免疫疾患で、体内の血管と結合組織に慢性の炎症が生じる疾患の総称です。
関節痛、リンパ節の腫れ、発熱、咽頭痛等の症状が現れる場合があります。
川崎病
乳幼児(4歳以下)に起こるとされる血管炎の一つです。
首のリンパ節の腫れ、不定形発疹、口唇の発赤、イチゴ舌、両眼結膜の充血、高熱が5日以上続く等の症状が現れる場合があります。
慢性疲労症候群
原因不明の疲労が慢性的に続く状態です。
首のリンパ節の腫れ、筋肉痛、頭痛等の症状が現れます。
早急に病院へ行くべき症状
- 発熱がみられる場合(リンパ節炎、細菌感染などの疑い)
- リンパ節が激しく痛む場合(リンパ節炎の、細菌感染などの疑い)
- リンパ節から膿が出ている場合(リンパ節炎、細菌感染などの疑い)
- リンパ節が直径2,5㎝以上になっている場合(悪性腫瘍の疑い)
- リンパ節が硬くなっている場合(悪性腫瘍の疑い)
- 短期間にどんどん大きくなっているが痛みは伴わない場合(悪性リンパ腫の疑い)
- 2~3か月以上リンパ節が腫れている場合(亜急性壊死性リンパ節炎の疑い)
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記事は、健康検定協会から提供されています。