「頭痛がして目の奥が痛い…」
これに加えて、吐き気や肩こり、鼻水、めまいなどの症状にお悩みの方が多いようです。
そこでこの記事では、頭痛がして目の奥が痛くなる原因を医師が解説します。
また、考えられる病気や対処法についてもお答えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
監修者
田町三田やまうち眼科
眼科医
山内 明子先生
目の奥が痛い頭痛の原因
主な原因として考えられるものは次の通りです。
精神的ストレス
ストレスによって自律神経が乱れ、交感神経が優位になると血管が収縮した状態が続きます。
そうなると十分な血液が回らず、頭痛や目の奥の痛みにつながります。
身体的ストレス
長時間同じ姿勢で仕事を行うなど、体に負荷がかかることで起こります。
女性ホルモンの乱れ
月経前にエストロゲンが減ることで頭痛が起きやすくなります。
眼精疲労
頭痛だけでなく、肩こり、吐き気等を伴うケースがあります。
閃輝性暗点
睡眠不足やストレス、肩こりといったことで、血管が収縮したり、その後拡張したりという急激な変化によって神経が刺激され、このような症状が起こると考えられています。
吐き気、嘔吐を伴うケースもあります。
病気の可能性
慢性頭痛をはじめ、脳疾患等の重い病気の可能性もあるので注意が必要です。
慢性頭痛
- 緊張型頭痛(ストレス頭痛)
頭をぎゅっと締められるような痛みが特徴で、後頭部、側頭部、首筋に痛みが生じるケースが多いです。
筋肉の緊張が目の奥まで悪影響を及ぼす場合もあります。
- 片頭痛
ズキンズキンと波打つような頭痛が起き、動くと痛みが増加します。
目まで痛みが生じて、吐き気、嘔吐等が起こる場合もあります。
- 群発頭痛
じっとしていられないくらい激しい頭痛、目の奥の痛み(片側のみ)が1時間ほど続き、その後自然治癒します。
痛みが生じている側の目から涙や鼻水が出る場合もあります。
脳疾患
- くも膜下出血
経験がないほどの(金づちで殴られるくらいの痛み等と表現される)激しい痛みを伴う頭痛が突如起きるケースが多いです。
吐き気、嘔吐等が起きやすく、目の奥に痛みが生じる場合もあります。
- 脳腫瘍
頭痛とともに、めまい、手足のしびれ、麻痺、言語障害、複視、歩行障害等の症状が出現します。
脳腫瘍では、目の奥に痛みが生じて嘔吐する場合もあります。
その他の疾患
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
副鼻腔炎の場合、風邪をひいた際に鼻づまりと共に目の痛みが起こるケースがあります。
また、頭痛、頬の周り、目頭から鼻にかけて痛みが生じる場合があります。
- 急性緑内障発作
前頭部の激しい痛みとともに、目の奥の痛み、視力の低下、嘔吐等の症状が出現します。
眼圧が急に上がるため、目の奥の痛み、頭痛が起きやすいと考えられます。
目の奥が痛い時の頭痛の治し方
次の方法を試してみましょう。
頭痛薬
軽い頭痛の場合、市販の頭痛鎮痛薬を使用することで症状が緩和するケースがあります。
目薬
ドライアイが原因の眼精疲労の場合、点眼薬で目の乾燥を防いで、潤いを与えると症状の改善が期待できます。
ツボ押し
慢性頭痛を緩和するツボを押すことで、症状が改善される可能性があります。
片頭痛の緩和が期待できるツボ
- 手三里
肘を曲げたところから手首方向に指3本分ほど移動した部分にある
- 合谷
手の親指と人差し指の骨が合流するところから、人差し指側の部分にある
- 崑崙
くるぶし外側とアキレス腱の間にあるくぼみ部分にある
緊張型頭痛の緩和が期待できるツボ
- 百会
頭頂部、両耳をつなぐ線と、鼻からまっすぐ頭部に伸ばした線が交わる部分にある
- 風池
耳の後ろの少し出っ張った骨の内側、うなじの二つのくぼみにある
- 天柱
風池の少し内側、首の骨の両側の太い筋肉外側にある
- 太陽
目の端と眉の端の中間点から指2本分外側のくぼみにある
心地良いと思うくらいの強さで大丈夫です。
マッサージ
筋肉の緊張が緩和され、頭痛や目の奥の痛みの緩和につながる場合があります。
手のひらを使って、前頭部、側頭部、後頭部を優しくマッサージしたり、首後方部を手の小指側側面を使ってトントン叩いたりする方法があります。
冷やす or 温める?どっちが正解?
頭痛も種類があるので症状が長引く場合は医療機関を受診しましょう。
血管の収縮や拡張が関係していることもあるので、温めたり冷やしたりすると緩和される可能性があります。
また、ホットアイマスクなどを活用して温めるのもおすすめです。
コンタクトはしても良い?
コンタクトレンズの長時間使用は、目に大きな負担をかけ、目の奥の痛みを誘発する恐れがあります。
コンタクトレンズを使用する場合は、装用時間を厳守する、酸素透過度が高い(100Dk/L以上がお勧め)素材でできているコンタクトレンズを使用する等、目をいたわるようにしてください。
病院に行くべき症状
- いつも起こる頭痛とは明らかに異なる痛みがある
- 頭痛が起きた後、意識が朦朧とする、意識を失う
- 頭痛が起きた後、ろれつが回らない、うまく話ができない
- 頭痛とともに高熱が出ている
- 痙攣を起こしている
- 頭痛により物が二重に見えてくる
- 50歳以上の年齢で、初めて頭痛を起こした場合
- 目が開かないくらいの頭痛を起こしている
記事は、健康検定協会から提供されています。