日頃の疲れがどんどん溜まっていく…そんな方に!
この記事では、即効性が期待できる疲労回復の方法について、栄養士さんに詳しく伺いました。
おすすめの食べ物をはじめ、栄養素ドリンクや薬・サプリなどもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
監修者
株式会社Luce ・健康検定協会 理事長
管理栄養士
望月 理恵子先生
疲労回復に!即効性が期待できる食べ物・飲み物はある?
次の栄養素を積極的に摂ることで、疲労回復の働きが期待できます。
疲労回復効果が期待できる栄養素
ビタミンA(β-カロテン)
高い抗酸化力を持ち、粘膜の新陳代謝を活発にして免疫力を整えます。
ビタミンB群
- ビタミンB1:糖質の代謝をサポートしてエネルギー代謝を円滑にし、疲労改善に働きかける。
- ビタミンB2:脂質の代謝をサポートして、エネルギー代謝を円滑にし、疲労改善に働きかける。
- ビタミンB12:血液を正常に維持する働き、アミノ酸代謝に関与、神経機能を正常に働きかける。
ビタミンC
白血球の働きを強化し、免疫力を整える。また、ストレスに強い体を作る。
タウリン
肝機能をサポートして身体機能に働きかける。
イミダゾールペプチド
脳疲労、肉体疲労両者に働きかけ、細胞を老化させる活性酸素を抑制する働きが期待できる。
クエン酸
体内の疲労の物質を解消し、エネルギー代謝を円滑にする働きがある。
アリシン
ビタミンB1の吸収を高め、疲労改善が期待できる。
おすすめの食べ物
あくまでも食品ですので、食べてすぐに効果が出るものではありません。
即効性というよりは、日頃から意識的に摂ることで、疲労回復効果が期待できます。
卵
良質なタンパク質、ミネラル、ビタミン、アミノ酸等を豊富に含み、特に半熟卵は、黄身の栄養を吸収しやすいため、疲労改善に働きます。
納豆
良質なタンパク質、ビタミンB1、B2、大豆ペプチド等を豊富に含み、疲労改善が期待できます。
豚肉
ビタミンB群(特にビタミンB1)、アミノ酸(ロイシン、パントテン酸等)等を豊富に含み、疲労改善、疲れにくい体をつくる効能が期待できます。
レバー(特に豚レバー)
ビタミンA、B1、B2、鉄分を豊富に含み、疲労改善に働きます。
鶏肉(特に鶏むね肉)、マグロ、カツオ
疲労改善成分イミダゾールペプチドを豊富に含み、さらに、ナイアシン、パントテン酸等も含むため、疲労改善に期待できます。
ホタテ
タウリン、ビタミンB12等を含み、疲労改善に働きます。
たまねぎ、にんにく、ニラ、長ネギ
アリシンが豊富で疲労回復だけでなく、胃の働きを正常にします。
バナナ
ビタミンB1、B2、β-カロテンを含み疲労改善に期待できます。
レモン(柑橘類)
ビタミンC、クエン酸を豊富に含み、疲労改善に期待できます。
りんご
ビタミンA、B、C、ポリフェノール等を豊富に含み、クエン酸回路の機能を促進し、疲労改善に働きます。
かぼちゃ
適度な糖質と、β-カロテン、C、E等を豊富に含み、肉体的疲労の改善に働きます。
はちみつ
ミネラル、ビタミン、アミノ酸、酵素等の栄養素を豊富に含み、効率良いエネルギー補給になります。
一日にどれくらい摂れば良い?
年齢、体格、活動量、性別など個々人によって変わります。
意識して取り入れるということが大切です。
<おすすめの食事メニュー例>
- 豚肉とにんにくのスタミナ丼
- はちみつレモン
- レバニラ
- かぼちゃの煮物
- 根菜カレー
おすすめの飲み物
その中でも、疲労回復のための栄養補給には、ビタミンB1、アミノ酸等を配合しているタイプがおすすめです。
- チオビタ
- ユンケル
- チョコラBB 等
しかし、栄養ドリンクを飲めば疲労が完全に改善されるというわけではありません。
栄養ドリンクを飲んだ後、一時的にしゃきっとして元気になったように感じる場合がありますが、この状態は完全に回復したわけではありません。
少し経つと、またすぐにどっと疲れが出てしまう可能性があります。
栄養ドリンクの常用は避けて
最近はエナジードリンクに頼りすぎて、カフェイン中毒なども問題となっています。
カフェインによって、吐き気や頭痛など不調が出る可能性もあるので、薬剤師、管理栄養士等に相談して活用すると良いですね。
牛乳やココアも◎
他にも、交感神経を安定させる働きのある牛乳、ココア、麦茶、ハーブティー等もおすすめです。
温めて飲むのが良いでしょう。
スポーツや肉体労働のあとの疲労回復にはコレ
次の栄養素を積極的に摂りましょう。
- 炭水化物
消費したグリコーゲンを補充するため - ビタミン、ミネラル
疲労改善のため - タンパク質
運動で分解された筋肉を早く復活させるため
(例)スポーツ飲料、果物(バナナ、りんご、みかん等)、パン、牛乳、ヨーグルト、プリン等
薬やサプリでより早い疲労回復を
ここまでに紹介した栄養分が補給できる薬やサプリを選ぶのが良いでしょう。おすすめは次の通りです。
薬
- アリナミン
- キューピーコーワゴールド 等
薬剤師、登録販売者に体調を伝え、選んでもらうと、適切なものが摂取できます。
漢方
- 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)
- 人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)
- 十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)
サプリメント
- ビタミンB1
- パントテン酸
- L-カルニチン
- αリポ酸
- コエンザイムQ10
- 鉄分等
しかし、できるだけ毎日の食事から必要な栄養分を摂取し、不足分を補うという考えでの使用がおすすめです。
薬やサプリは食後に
しかし、それぞれのタイプにより異なる場合もあるので、使用上の注意をよく読んでから服用してください。
その他、疲労回復におすすめの方法
食事や薬だけでなく、ゆっくり休むことやリラックスできる時間を確保することも大切です。
- 思い切って仕事や学校を休む
- ツボを押す(合谷、湧泉を指圧すると即効性が期待できると言われています。)
- リラックスできる時間を作る
入浴やアロマなど、ご自身がリラックスできる方法で疲労を回復しましょう。
疲労回復に良い点滴や注射があるって本当?
ビタミンB1、アミノ酸(タウリン)、ビタミン類等を配合しているケースが多く、疲労改善に有効と考えられています。
体内に直接注入するので、他よりも即効性が期待できます。
自由診療のため、費用は各医療機関によって大きく異なります。
また、配合内容も異なるので、事前に詳細を確認してください。
記事は、健康検定協会から提供されています。