「子どもが切り傷を負った!」
「早く治すにはどうすればいいの?」
切り傷を早く治す方法をお医者さんが解説します。
病院受診の目安、何科を受診するかも聞きました。
監修者
小田原銀座クリニック
長谷川佳子 先生
2012年 横浜市立大学附属病院 初期臨床研修医
2013年 横浜市立大学 市民総合医療センター 初期臨床研修医
2014年 横浜市立大学附属病院 形成外科 入職
2015年 藤沢湘南台病院 入職
2016年小田原銀座クリニック 美容皮膚科
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
小田原銀座クリニックでは、患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
切り傷を早く治す方法
応急処置
水で、傷口についた細菌やウイルスを洗い流します。
浅い傷(少し血が滲む程度)であれば、絆創膏を貼っておきましょう。
深い傷(出血量が多く、絆創膏では止められない。骨や筋まで見えているなど)は、清潔なガーゼやハンカチで傷口をきつく抑えて、すぐに病院を受診しましょう。運ぶのが難しい場合は、救急車の手配をしてください。
その後のケア方法
必要であれば、市販の軟膏や保湿剤を塗った上で、絆創膏を貼ります。
無理にゴシゴシと洗う必要はありません。流水でしっかり流してください。
赤みが強く残っている→抗炎症成分の軟膏
赤みは強くなく肌のゴワつきある→保湿剤やビタミン剤が入った軟膏
がおすすめです。
絆創膏が汚れたり、剥がれたりした場合も傷口を流水で洗い、新しい絆創膏をつけます。傷の深さにもよりますが、数日で傷が塞がり、快方に向かいます。
傷口に細菌が感染すると、腫れ・熱を持つ・膿が溜まるなどの症状が現れます。そのような症状が現れた場合は、すぐに病院で治療を受けてください。
おすすめの食べ物
タンパク質は、皮膚を作るのにも必要です。肉、魚、大豆類に多く含まれています。
ママ・パパ世代がやった“昔ながらのケア”はNG!
傷口を消毒してしまうと、治癒に必要な細胞も死滅してしまい、治るまでに余計時間がかかります。
3大NG事項
- 傷口を乾かすのはNG!傷をすぐに流水で洗わずに、乾かすと細菌感染してしまう元になります。細菌感染は、怪我が長引く原因になります。
- 消毒液での消毒はNG!怪我を早く治癒させようと働く細胞まで殺してしまいます。
- 入浴時に傷部分を洗わないのはNG!洗浄を避けると細菌感染などを引き起こします。毎日洗浄して、清潔にしましょう。
市販薬の使用について
しかし、市販薬で傷口が良くならない・異常が出た場合は、すぐに病院を受信しましょう。
市販薬・絆創膏は、対象年齢や用途に合ったものを使用しましょう。間違ったものを選ぶと、治りが遅くなったり、傷口が不潔になり細菌に感染させたりする原因を作る場合もあります。
使い方や用途がわからない場合は、薬局やドラックストアにいる薬剤師に相談をしましょう。
病院に行く目安
・傷が深い
・出血が多い
といった場合は、病院で治療しましょう。
切り傷が深い場合は、縫合をすることもありますが、縫わずに治療できる専用の治療用テープなどもありますので、医師に相談しましょう。
また、切り傷の原因となった刃物が錆びていた・汚れていたという場合も受診しましょう。破傷風や細菌感染を避ける為にも、内服薬や外用薬を使用する事もあります。
病院に行くメリット
切り傷は、切れ方や皮膚の状態で傷跡が残ってしまう場合もあります。医師の目線で初めから病院で治療を受ければ、怪我の状態にあった治療が受けられます。専門の治療は、できるだけ怪我の跡が残らないように工夫されます。
記事は、健康検定協会から提供されています。