「おしりに赤いできものができて痛い…」
「対処法を教えて!」
お医者さんに、「どうすれば治るのか?」を聞きました。
病院へ行った方がいい症状や、何科を受診すれば良いのかも解説します。
ちょっと人には聞きづらいお尻の症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
小田原銀座クリニック
形成外科医
長谷川 佳子先生
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
平成26年よりKO CLINICに勤務
平成29年2月より小田原銀座クリニックに勤務
なぜ?おしりの「おでき」の原因
1.ニキビ
2.アテローム(粉瘤)
3.脂肪腫
が考えられます。
原因1.「ニキビ」の特徴
ニキビは、おしりにもできます。
特に夏場は、汗や皮脂などが蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすいため、ニキビができる可能性が高いです。また、ストレスや睡眠不足が原因になることがあります。
原因2.「アテローム(粉瘤)」の特徴
アテロームは、皮膚の下に角質や皮脂が溜まり、袋状の数ミリ~数センチの腫瘍の総称です。
腫瘍といっても痛みや自覚症状はなく、良性の腫瘍です。押すと、臭くてドロドロした物質が出てくることもあります。皮脂は外に出ず、どんどん溜まっていきます。
原因3.「脂肪腫」の特徴
脂肪腫は、皮膚の下に脂肪細胞が増殖してできた脂肪の塊です。脂肪腫も悪化することはほとんどなく、良性の腫瘍です。
※この3つの他にも、おしりが好発部位の、かゆみやブツブツが生じる膿皮症や、肛門周辺に膿がたまる痔瘻の可能性もあります。
自然治癒する?
ニキビ→清潔に保つことで自然と治癒することがあります。
アテローム・脂肪腫→手術で取り除く必要があります。
おしりのできもの対処法
赤いできものの正体がニキビの場合は、セルフケアで対処することもできます。
具体的には、次のようなケアを実践してみましょう。
1. シャワーではなく、湯船に浸かって毛穴の汚れを落とす
2. ニキビ用の洗顔料で洗うと有効な場合があります。
3. 潰さないように優しく洗う(ニキビを潰してしまうと、雑菌が入り炎症を起こす恐れがあります。潰さないように注意)
4. できるだけ、長時間座り続けるのは避ける
5. 蒸れやすい下着は避ける
市販薬が使えることも!
塗り薬以外にも、ビタミン剤もおすすめです(ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンC)皮脂分泌をコントロールして、皮膚の炎症をおさえてくれる働きがあります。
2~3日間使っても症状が改善しないときは、病院の受診をお薦めします。
「しこり」があるときは要注意
脂肪腫のしこりは、痛みはほとんどありません。
アテロームのしこりは、炎症を起こすと痛みが生じ、ズキズキとうずくような痛みを感じることがあります。
悪性腫瘍のケースも
「脂肪肉腫」や「平滑筋腫」などの悪性腫瘍ができることもあります。しこりができ、大きくなると痛みを生じることがあります。
また、「臀部膿皮症」は、肛門からおしりにかけて黄色ブドウ球菌という細菌の感染がおき、膿を溜めた痛いしこりができます。悪性化することも知られています。
病院に行くべきケース
・しこりがある
ときは、病院の受診が必要です。
しこりは悪性の腫瘍である場合もあるため、しっかりと検査してもらう必要があります。
記事は、健康検定協会から提供されています。