水虫を「早く治すための対処法」や「やってはいけない対処法」をお医者さんに聞きました。
4つの水虫タイプごとの対処法も解説するので、参考にしてくださいね。
監修者

小田原銀座クリニック
形成外科医
長谷川 佳子先生
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
平成26年よりKO CLINICに勤務
平成29年2月より小田原銀座クリニックに勤務
【基本】水虫を治すためにできること
具体的には次の4つを意識しましょう。
1.足を清潔な状態にする
毎日石鹸を使用して足をきれいに洗ってください。足指の間も念入りに洗いましょう。また靴下は毎日洗濯して、きれいな状態のものを使用してください。
2.お風呂上がりに水気を除去
指の間の水分を残してしまうと、水虫の菌の温床になってしまいます。しっかり水気を除去しましょう。
3.靴をローテーションさせる
毎日同じ靴を履くと、常に靴の中がジメジメしやすくなり、通気性も悪くなります。3足程度をローテーションで使用するようにしてください。
4.五本指靴下を着用する
足指の間に隙間ができるため指同士が密着せず、湿度が高くならず、皮膚が擦れないため水虫治療に有効と考えられています。
あなたの水虫はどのタイプ?
①趾間型
②小水疱型
③角質増殖型
④爪白癬
の4タイプがあります。
【注意】早く治したいなら…自己判断はNG!
水虫の市販薬は多数販売されていますが、自己判断で市販薬をむやみに使用しないことが、水虫を重症化させないためには大切です。
薬を使う前に、自分がどのタイプの水虫なのかは一度医師に診断してもらいましょう。水虫かと思って受診したら、「別の疾患だった」というケースも多いです。
タイプ①趾間型
一番多い水虫タイプが趾間型(しかんがた)です。
指と指の間の皮膚がカサカサ(鱗屑)になり、徐々に白っぽくふやけていき、皮が剥けます。その後赤くなり、ひび割れが起こる等の状態になります。
患部からリンパ液が染み出てくるため、ジュクジュクとした湿潤状態になる場合が多いです。また、強いかゆみを伴います。
ひび割れが起こった部分から他の細菌に感染したり(二次的細菌感染)、市販の塗り薬の使用によりかぶれを起こしやすい傾向があります。
治し方
タイプ②小水疱型
足の側面や裏に、強いかゆみを伴う小さい水ぶくれが多数発生する状態です。水疱が破裂したり、カサカサになり皮が剥けるケースもあります。
治し方
タイプ③角質増殖型
足のかかと部分がひび割れ状態になったり、足裏の皮膚が全体的に厚みを増す状態です。
ひび割れた部分に痛みを伴うこともあります。かゆみはほぼありません。
※乾燥する冬期にでやすく、④の爪白癬(爪の水虫)を併発する場合もあります。
治し方
ただし、このタイプの水虫は治るまでに時間がかかる場合があります。角質層が肥厚しているケースが多いため、塗り薬を使用しても浸透・吸収が遅くなるためです。
角質増殖型の場合は、特に病院での治療をおすすめします。病院では、角質を柔らかくしたり、角質ケアをする治療法があります。
タイプ④爪白癬(爪の水虫)
足の水虫の治療を行わずに放置すると、水虫の原因となる白癬菌が爪に感染し、爪白癬を引き起こす場合があります。
親指の爪に発生しやすく、爪が白っぽい色や黄白色に混濁する、爪がもろくなる、爪が分厚くなる等がみられます。
自覚症状が乏しいですが、悪化すると歩く際に痛みを生じる場合があります。爪を切るときは、周りにとびちらないようにしましょう。
治し方
爪は硬いので、塗り薬を使用しても有効成分の浸透が不十分になる可能性が高く、塗り薬での治療は困難です。改善したように見えても、爪の中に白癬菌が残っているケースが多く、水虫を繰り返しやすくなります。
薬の塗り方のコツ
片足のみに発症していても、もう一方の足にも塗っておきましょう。
塗るタイミングは?
お風呂上がりの清潔な状態の皮膚に塗りましょう。
角質層の水分量が多くなっており、温度も高くなっているため、薬の浸透がスムーズに行われます。
どれくらいの塗り続けるの?
約2週間程度で症状は快方に向かいます。
ただ、症状が改善しても菌が残っていることも多いので、1ヶ月くらいは薬を塗り続けるのがよいでしょう。
2週間以上薬を塗り続けても快方しない場合は、病院を受診しましょう。
記事は、健康検定協会から提供されています。