「子どもがおしりを痛がる!」
「もしかして…痔?」
子どもがおしりを痛がる原因を、お医者さんが解説します。
自然に治るものなのか、病院に行くなら何科に行くべきなのかも聞きました。
監修者
高座渋谷つばさクリニック
院長
武井智昭 先生
子どもの「おしり痛い」は何科に行く?
おしりが痛い原因1.痔
切れ痔
便秘が原因で切れた箇所が痛む
痔核
肛門の中や外にイボができてしまい、排便時に痛む
痔瘻
膿んでしまい直腸と肛門周辺の皮膚にトンネルができてしまう
どう治す?
肛門に軟膏を塗って治療するのが主です。
治療には、ママ・パパの協力が必要です。
子どもに下痢や便秘があったり、排便が不規則という場合は、便を柔らかくするお薬や整腸剤を内服したり、排便習慣をつける指導も同時に行います。
原因2.見張りイボ
切れ痔に伴い、切れた皮膚が炎症を起こして腫れ上がっている状態です。
腫れは、肛門内部に入り込んで見えない時もありますが、排便で力むと一気に出てくる場合もあります。腫れは、大きくなると異物感があり、痛みも強くなります。
どう治す?
痔と同様に軟膏での治療が主となります。
市販薬やクリームを使用してもいい?
市販薬や保湿剤は、医師が肌の状態を見極めて出す処方薬とは違います。症状に合っていないと悪化することもあります。子どもが痛がったり、嫌がる場合は無理に使用しないようにしましょう。
市販の薬(ボラギノールなど)は、15歳未満は使用不可のものもあります。
子どもでも使える年齢に合った軟膏(オロナインなど)であれば、使用可能です。
※傷口にしみる・傷口が悪化したという場合も、すぐに使用をやめてください。
早く治すために気をつけること
便秘気味の場合、痔になりやすくなります。
・水分を多くとる
・食物繊維の豊富な食事をとる
を意識しましょう。
海藻・きのこ類・緑黄色野菜・根菜類には、食物繊維が豊富に含まれています。
野菜ジュースや野菜のスープを摂取するのもよいでしょう。
また、適度な運動も、ストレスを解放して腹筋を使って腸内運動を活発にさせます。勉強で座っている姿勢ばかりで便秘になる子供もいます。
また、便秘気味な子どもの保護者の方は、トイレの時間をゆっくり作ってあげましょう。
トイレタイムは、朝起きて、水分を取り、腸が動き出した頃がおすすめですが、朝は時間が取れない場合も多いでしょう。その際は、夜でも構いません。食事をゆっくりとって、ゆっくりする時間を作りましょう。また、トイレを急かすのは、逆効果です。
自然に治るものなの?
一時的な下痢や便秘が原因で、痔になった場合は、便が通常通りの硬さになれば自然と治癒していきます。
痔や炎症の大きさにもよりますが、通常1週間程度で気にならなくなります。
しかし、慢性的な便秘が原因の場合は、便秘がなくならない限り、痔も良くなりません。
病院受診の目安
・排便を嫌がる
・お尻の痛みがある
といった場合は、早めに受診をして治療を受けましょう。