「子どもの唇が腫れている!」
「唇が赤い…もしかして病気?」
子どもの唇の腫れの治し方を、お医者さんが解説します。
病院に行く目安や、何科を受診すればいいかも聞きました。
監修者
小田原銀座クリニック
長谷川佳子 先生
2012年 横浜市立大学附属病院 初期臨床研修医
2013年 横浜市立大学 市民総合医療センター 初期臨床研修医
2014年 横浜市立大学附属病院 形成外科 入職
2015年 藤沢湘南台病院 入職
2016年小田原銀座クリニック 美容皮膚科
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
小田原銀座クリニックでは、患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
子どもの唇の腫れの原因
・唇のなめすぎ
・アレルギー
・ヘルペス
・帯状疱疹
・粘液貯留嚢胞
が考えられます。
それぞれの対処法を解説します。
原因1.唇のなめすぎによる乾燥
唇をなめすぎると、乾燥します。
乾燥した唇は、カサつき・かゆみ・痛み・出血することもあります。
対処法
また、保湿剤やリップクリームをこまめに塗って、保護しましょう。
通常は徐々に快方に向かいます。
皮膚科を受診すれば、保湿剤やステロイド外用薬を処方してもらえます。処方薬を用いて治療すれば数日程度でよくなるでしょう。
原因2.アレルギー
アレルギー反応で、唇が腫れることがあります。多くは、食物アレルギーや紫外線アレルギーです。
唇全体が腫れたり、発疹・水疱ができる場合もあります。
対処法
食物アレルギーがある場合は、至急病院を受診し手当てを受けましょう。
数時間経っても、症状が良くならない(腫れが引かない・痛みが続いている・発疹、水泡が増えている)場合は、皮膚科を受診しましょう。
原因3.ヘルペス
ヘルペスウイルスに感染すると、唇周りや口の中にプツプツとした赤い水泡ができます。痛みはチクチクとした痛みが続きます。水疱が潰れるとウイルスはまき散り、他の人に感染します。
対処法
ヘルペスは人にうつります。水泡やプツプツに触った人はすぐに手を洗いましょう。
原因4.帯状疱疹(水疱瘡の再発)
水疱瘡に感染したことがあれば、誰でも「帯状疱疹」を発症する可能性があります。
水疱瘡のウイルスは、治った後も神経のすみに隠れて、体が弱ったときや、免疫が低下した際に現れます。この再発を帯状疱疹といいます。
帯状に発疹が広がり、唇にも症状が現れる人もいます。チクチクした痛みや痒みを感じます。
対処法
症状が出ているときに、無理をして体を動かしたり、ストレスがかかったりすると重症化して全身に広がることもあります。
早めに皮膚科を受診して治療を受けましょう。
原因5.粘液貯留嚢胞
唇を噛んだ後や口の中を傷つけた後に、唾液が粘膜の袋の中に溜まってしまう病気です。
小唾液腺が傷つき、粘膜の中に唾液が溜まって起こります。潰れて、中の唾液が出ると小さくなりますが、摘出しないとなんども繰り返し再発します。
対処法
口の中の違和感だけで基本的に痛みはありませんが、なんども繰り返すと痛みを感じるようになることもあります。子どもは、舌や歯で触って何度も潰してしまう子もいます。早めに治療を受けましょう。
市販薬を使用してもいい?
市販薬を塗って対処してもいいでしょうか?
用量用法を守り使用してくださいね。
ただし、原因に合っていない場合、自己判断での市販薬の使用は、症状がかえって悪化したり、快方に繋がらないことがあります。そのような場合は、すぐに使用を中止して病院を受診しましょう。
腫れ対策「やってはいけないこと」
唇に刺激を与える、カレー粉や唐辛子などの香辛料を使った食事は避けた方がよいでしょう。
また、唇の皮膚はもともと薄いので、引っかいたり、触ったり、刺激を与えるのも避けましょう。
病院の受診目安
・口を開けられない
・食事がとれない
といった場合は、早急に病院を受診しましょう。