子どもの首のしこり、これって大丈夫?
お医者さんに「子どもの首のしこり」について聞きました。
自然に治るものから、病院に行くべきしこりもあるので、最後まで読んでくださいね。
監修者
小田原銀座クリニック
長谷川佳子 先生
2012年 横浜市立大学附属病院 初期臨床研修医
2013年 横浜市立大学 市民総合医療センター 初期臨床研修医
2014年 横浜市立大学附属病院 形成外科 入職
2015年 藤沢湘南台病院 入職
2016年小田原銀座クリニック 美容皮膚科
形成外科、美容皮膚科、皮膚科、外科など様々な分野を担当。
小田原銀座クリニックでは、患者さんが気楽に相談でき、しっかりと満足いく診療メニューを提案する。学会、大学病院、研究施設などへの積極的なアプローチ発表など常に最善の手を尽くすべく研究を行うことが最大の特長。
女性目線で、きめ細やかなケアと笑顔で診療することを心がける。
執筆を通し、様々な経験に基づいた根拠ある情報の提供を行う。
心配しなくてもいい首のしこり
リンパ節は、身体中に存在していて細菌やウイルスが体内に侵入しないようにみはっている免疫器官です。ウイルスや細菌が侵入してくるとリンパ節はそれらと戦って一時的に腫れるのです。
腫れがおさまれば、リンパ節は数ミリ〜1センチ程度のしこりとなります。
子どもが痛がらない、1~2週間程度たっても大きさが変わらないしこりはリンパ節ですので、あまり心配しないでください。
腫れているうちは、押すと痛みを感じる子もいますが、1週間程度で腫れは小さくなります。
リンパ節の腫れの対処法
リンパ節に腫れがあるときは、細菌やウイルスと戦っているときです。耳の下や首回りは、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)などで腫れてしまいます。
要注意の首のしこり
・白血病
・悪性リンパ腫
・小児がん
などが考えられます。
原因1.白血病
骨髄中に存在する血球をつくる造血幹細胞ががん化し、血液を作ることができなくなる疾病です。
<症状の特徴>
リンパ性白血病などは、首・脇の下・足の付け根などのリンパ節にしこりが現れ徐々に大きくなります。痛みは通常ありません。
急性白血病の場合は、あざができやすくなる・鼻血・歯茎からの出血などが起こります。
慢性白血病は、初期症状はほとんどありません。
原因2.悪性リンパ腫
首や脇の下に痛みのないしこりができ、徐々に大きくなります。症状が進めば、発熱や体重減少、体の痛みなどが現れます。すぐに治療が必要な場合もあります。
<症状の特徴>
リンパ節付近にしこりが認められ、悪性の場合は急激に大きくなることもあります。
進行すると発熱・体重減少・体の痛みなどを感じるようになります。
原因3.小児がん
この場合、「なんとなく元気がない日が続いている」「理由もなく発熱が続く」という症状が初期症状である場合もあります。
首や足の付け根などのリンパ節付近に痛みを伴わないしこりができることがあります。
発熱・頭痛・倦怠感・骨などが痛むなどの併発症状がある場合もあります。
こんなしこり、大丈夫?
押すと痛いしこり
また、粉瘤や血管腫なども可能性もあります。
動くしこり
この場合は、動かすと皮膚の中で動くのが確認される場合が多いです。
大きくなるしこり(要注意)
※ただし、粉瘤も大きくなります。