子どもがひっきりなしに咳をしていて心配!
どうすれば、楽になる?
お医者さんに、親がしてあげられるケアを聞きました。病院を受診すべき「要注意の咳」もあります。
監修者
荒牧内科
院長
荒牧竜太郎 先生
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業
「心配いらない咳」のケース
空気の乾燥や口の乾燥が原因の咳は、あまり心配しなくてもよいでしょう。
また細菌やウイルス感染が原因でも風邪で自然治癒するものも、お家で様子をみてもよいでしょう。
「病院に行くべき咳」の4ケース
病院に行くべき咳がでる4ケースを紹介するので、あてはまる症状がでていないかしっかり確認しましょう。
咳の原因1.「クループ症候群」
3歳くらいまでの小さな子どもが、「しわがれた声」や「犬の遠吠えのような咳」を出したら要注意。クループ症候群とは、ウイルス感染などによってノドの炎症・腫れが起きて「声が出にくい」といった状態になることをいいます。息を吸い込む時に息苦しくなり、ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴を伴うこともあります。初期症状には、鼻水・発熱などがあります。
クループ症候群の対処法
2週間以上治らない、呼吸が苦しそう(喘鳴)といった場合はすぐに受診してください。
自然に治るといっても、喘鳴が出るなど症状が重い場合があります。病院では対症療法が取られます。重症になると入院が必要になり酸素投与などが必要となります。
咳の原因2. 「気管支炎」
気管支が炎症を起こして、咳や痰症状が出る病気です。
ウイルスやマイコプラズマなどの感染により起こる「急性気管支炎」や、感染症以外の原因になることもある「慢性気管支炎」があります。
気管支炎の対処法
咳止め(炎症止め)や痰が出やすくなる去痰薬などで治療を行います。慢性気管支炎には、ステロイド剤や気管支拡張薬が必要となる場合があります。
原因3. 肺炎
空気が通る気管支の先にある肺胞という部分が炎症を起こし、咳以外にも発熱・息苦しい・呼吸困難・胸の痛みなどがおきます。痰が絡む咳が出ることもあります。
肺炎の対処法
通常、医師の管理下で、薬を使った入院治療が必要です。
咳の原因4. アレルギー
アレルギー物質が体内に入ると咳が出ます。痰の絡まない乾いた咳です。同時にくしゃみや鼻水、目のかゆみなどが出る人もいます。特定の季節・特定の場所・特定のシチュエーションなどでくしゃみが止まらない場合、アレルギーが疑われます。
アレルギーの対処法
病院に行くときは、「どんなときにどんなアレルギー症状がでるか」を医師に伝えるとよいでしょう。
病院に行くときの注意事項
また、寒さを感じている場合は、体の冷えで咳が悪化することもあるので、厚着をして出かけましょう。カイロなどを使用するのも良いでしょう。
お医者さんへの伝え方
医師には次の5ポイントを伝えるとよいでしょう。
- 咳が出ている日数
- 咳がひどくなった時期
- 咳以外の症状(発熱・頭痛・ノドの痛み、鼻水など)
- 咳のひどくなる時間帯や要因が
- 痰が絡む咳か、乾いた咳(空咳)か
何科にいけばいい?
お部屋の環境の整え方
空気が乾燥していると、咳が出やすくなります。
<加湿器がないときの対処例>
- お湯を沸かす
- 濡れタオルを干す
- 子どもに水を飲ませる
布団や衣類に付着した埃やチリによって、弱っている喉の粘膜が刺激され咳が出る場合もあります。衣類や布団は、清潔なものを使用しましょう。
少しでも、楽にしてあげる方法は?
クッションや丸めたタオルなどを、背中に当ててあげてください。
苦しそうな場合は、濡らしてかるく温めたタオルを、口や鼻に優しく当ててあげてもよいでしょう。
その他、背中をさすってあげたり、水分で喉を潤してあげたりしてください。のど飴などの飴を舐めるのも、唾液が分泌されノドが潤いやすくなります。
市販の咳止めは使っていい?
市販の咳止めは、使ってもいいですか?
咳を無理に止めてしまうと、適切な診断ができなくなるかもしれないためです。
咳の原因が明確にわかっていて、それに合った咳止め薬を使用することはできますが、咳をする子どもの疾患は多様です。
市販薬で無理やり咳を止めてしまうと、医師が適切な治療をできなくなる恐れがあります。
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記事は、健康検定協会から提供されています。