子どもの「股関節が痛い」「痛くて歩けない」に、親はどう対処してあげたらいいのか、お医者さんに聞きました。
病院にいくべき“病気”なのか、何科に行くべきなのかも解説します。
監修者
高座渋谷つばさクリニック
院長
武井智昭 先生
これは成長痛?どう判断する?
成長痛というのは、明らかな病気がなく、筋肉や関節の一過性の痛みがでる症状をさします。
夜に痛みが出ること多いです。痛い部位も日によってバラバラのこともあります。
成長痛は、疲れやストレスが原因と考えられています。痛いところをさすったり、マッサージしてあげるのがおすすめです。ゆっくりお風呂にはいったり、子どもの話を聞いて不安に思っていることを解消してあげるのも効果的です。
成長痛ではない場合、股関節の痛みを発症する子ども病気は、実は数多くあります。それぞれの症状の特徴と対処法をご紹介しましょう。
病気1.「単純性股関節炎」
原因不明の場合も多いです。免疫が低下している、風邪やインフルエンザの後などに発症を確認することもあります。
痛みの特徴
股関節から膝の方までと比較的広範囲に痛みを感じます。
我慢すれば歩ける程度の痛みから、歩行することを拒むほどの痛みまであり、個人差があります。
どんな対処が必要?
通常、安静にしていれば数週間で症状はよくなりますが、冷やして関節をリラックスさせてください。
痛みがひどく、生活に支障があれば受診をおすすめします。
病気2. 「ベルデス病」
太ももの骨大腿骨に走る血流が滞り、変形・成長障害などが発症します。
痛みの特徴
股関節~太もも、膝まで痛みが広がる場合もあります。
痛みには個人差があり、我慢できる程度~歩行異常が出るレベルの痛みがでることもあります。
どんな対処が必要?
治療は年齢・患部の変形の度合いなどによっても異なります。通常は、装具療法や手術療法などが行われます。
病気3.「化膿性股関節炎」
どこにでもいる細菌(主に黄色ブドウ球菌)に感染して発症します。
食欲不振や機嫌が悪いなどの他に、発熱や股関節を動かすと大泣きするといった特徴があります。
特に乳幼児期は、オムツ替えて股関節を動かすことが多い時期です。この時期、発熱があり、足を動かすと泣く、皮膚が赤いといった症状が出たら、すぐに病院で検査を受けましょう。
治療が遅れると、数日で股関節の軟骨が永久的に破壊されて、手術が必要となります。
痛みの特徴
股関節に炎症があるため、強い痛みがあり、足を動かすことを嫌がります。
歩くことを拒否する子どももいます。
どんな対処が必要?
関節の炎症が強い場合などでは手術が必要となります。
病気4.「大腿骨頭(だいたいこっとう)すべり症」
男の子で肥満傾向だと発症率が上がります。
外からの衝撃で起きる場合もありますが、慢性型の発症もあります。慢性型は徐々に発症します。
痛みの特徴
こちらの症状の特徴・痛みの特徴を教えてください。
どんな対処が必要?
ずれた骨を戻し、金属ネジで固定します。
歩けないケースも
痛みが強ければ、子供は歩かなくなります。
また、股関節に発症する病気の中には、器官を破壊してしまい、手術でしか元に戻せないものをあります。
安静にしていればよくなるものもありますが、病気が原因の場合は、関節痛の原因を発見して、早期治療が必要です。
病院に行くべき目安
・歩き方がおかしい
・体をかばうように歩く
などがあれば病院を受診しましょう。
放置すると、症状悪化により、最悪、歩行困難となってしまいます。
記事は、健康検定協会から提供されています。