40度以上の高熱が出たら、どう行動するべきなのでしょう。
大人の場合、子どもや赤ちゃんが高熱を出した場合の対処法を、それぞれ詳しく解説します。
救急車を呼ぶ基準についてもお伝えしていますので、インフルエンザや風邪などで40度以上の発熱がある場合は、ぜひ参考にしてください。
監修者
平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
内科医
岡村 信良先生
経歴平塚共済病院 小田原銀座クリニック 久野銀座クリニック
救急車を呼ぶべき?40度以上の発熱の対処法
救急車を呼ぶべき基準
40度以上の発熱があり、次のような状態の場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
- 意識がない、朦朧としている、呼びかけに反応しない
- 顔色が悪くぐったりしている
- 痙攣が10分以上続く(痙攣が止まっても意識が戻らない)
- 顔が歪む、手足に麻痺がみられる場合(手足が脱力している)
- 嘔吐を繰り返す
- 呼吸困難、肩で息をしている
大人の高熱で注意すべき症状
大人の場合は、次の症状が伴うと特に危険です。
- 突然高熱が出る(特に40度以上)
- 突然の激しい頭痛
- 何かにつかまらないと立てずにふらふらする
- 突然手足がしびれる
- 突然片側の手(腕)、足が脱力する
- 突然胸や背中に激痛がはしる
- 胸に締め付けられる、圧迫されるといった痛みが起こる
- 呼吸困難や息切れが起こる
- 突然激しく腹部が痛む(痛みが持続する)
- 下血や吐血が起こる
- 痙攣がとまらない
- 冷や汗を伴うひどい吐き気、嘔吐
- 意識が朦朧としている
24時間無休で医療専門家が対応してくれます。
また、「Q助」という総務省消防庁が行っている「全国版救急受診アプリ」を活用するのもおすすめです。
子どもや赤ちゃんの場合は特に注意
子どもや赤ちゃんに40度以上の高熱が出たら、とても心配ですよね。
次のような症状がある場合は、救急車を呼んであげてください。
- 高熱を伴い意識状態に異変がある(意識がない、反応が薄い等)
- 40度を超える発熱(赤ちゃんや子どもは抵抗力が低いため、40度を超える高熱がでた場合早めに対応しましょう)
- 生後3か月未満で高熱がある
- 顔色や唇の色が悪く、ぐったりしている(土色、紫色)
- 突然頭を痛がる、首の後ろが硬くなる
- 呼吸困難、息苦しそうにしている(呼吸が弱い)
- お腹を激しく痛がる
- 嘔吐や吐き気が止まらない
- 尿が出ない
- 血便
- 全身に発疹が出ている
- 痙攣が止まらない
- 手足が硬直する
高熱時の対処法
大人の場合
- 熱の不快感をとるために寒くない程度に涼しくする
- 水分補給を行う
- 頭部、脇の下、足の付け根等を冷やす
- 解熱剤を使う
解熱剤を使うと一時的に熱が下がり、食欲が出る等のメリットがあります。
しかし、薬で熱を下げることで病気に対する抵抗力が弱くなり、病原自体は活性化される可能性があるというデメリットもあります。
そのため、水分が摂れない状態の場合に解熱剤を使用して、熱が下がったところで水分やたんぱく源(消化のよいたまごや豆腐 等)で栄養を補給するという方法もあります。
子どもや赤ちゃんの場合
発熱によって汗をかいた場合は、着替えさせてあげましょう。
子どもや赤ちゃんが水を飲むのを嫌がる場合は、ご飯の際に雑炊やおかゆなど水分が多い食事にしたり、ヨーグルトやゼリーといった甘いものでも水分を補給すると良いですね。
子どもに解熱剤を使用するときの注意点
発熱していても元気がある場合や、38.5度以下の場合は解熱剤の使用は控えるようにして様子を見てください。
また、解熱剤は生後6か月未満では使用できないので、注意が必要です。
何度まで出ると危険?
42度以上は命の危機も
熱中症・ 熱射病等の場合、深部体温が40度以上になると、全身痙攣、血液凝固障害等の恐ろしい症状が出現する場合があります。
また、体温を維持する機能が破壊され42度以上まで上昇すると、多臓器不全(生きていくために必要な臓器が障害された状態) を起こし命の危機に晒されます。
高熱で後遺症が残る可能性は?
しかし、細菌性髄膜炎、脳炎、急性脳症等を発症した場合、脳に後遺症が残る恐れがあるため、注意が必要です。
上記のような脳神経に影響を及ぼす重症疾患の場合に出現する症状は、高熱のみというケースは考えにくく、激しい頭痛、繰り返す嘔吐、痙攣、意識障害等の症状を伴うケースが多いと考えられています。
この記事は、健康検定協会から「Medicalook」へ提供されています。
是非、ご一読ください。